BOOK

「柳家さん喬はなぜ柳家喬太郎の師匠なのか」

帰阪の新幹線で読了したのが「なぜ柳家さん喬は柳家喬太郎の師匠なのか」 本来なら「なぜ柳家喬太郎は柳家さん喬に弟子入りしたのか」でしょうね。ちょっと失礼かな。でも並んでいると僕が弟子に間違われると嬉しそうに言っておられるさん喬師匠だからいいん…

 Kuutamoai 本のもあい

高円寺に移転したkuutamoでの「本もあい」、kuutamoai。「もあい」とは沖縄や奄美の頼母子や無尽で親にお金が集まる仕組み、「本もあい」とは親の出したテーマ本をみんなが持ち寄るのです。沖縄ではちょっとしたブームが起きている様子で、その催しをまとめ…

 青木正美著「文藝春秋作家原稿流出始末記」読了

いやあ面白かった。たくさんの著書がある堀切の青木書店店主が関係者が世を去ったからこそ明かせる大量作家原稿流出の原因から売買の行方までを語る。1枚目の題名と作家名がない原稿を首ナシといい、それを売り物にする苦労話しが凄い。その実物写真まで掲載…

 丸谷才一・山崎正和著「日本の町」読了

書影から見るとちくま文庫みたいだけれど文春文庫。 古本屋の均一台でぱらっと見て、江戸は江戸城中心ではなく、富士山をランドマークにして偏心的に出来ているという陣内秀信著「東京の空間人類学」の説を感心しながら補強してくお二人の話しに引き込まれて…

 出版物輸送、2〜3年以内に撤退も

twitterでRTしたニュースです。 出版物輸送、2〜3年以内に撤退も – 物流の専門紙 カーゴニュース http://cargo-news.co.jp/cargo-news-main/1127 @info@cargo-news.co.jpさんから

 永井龍男著「一個 秋その他」

下鴨納涼古本市で買い求めた永井龍男著「一個 秋その他」を北陸新幹線かがやき車中にて読了。 私小説ではないが随筆にも近いこの短編集を読み続ける時間は至福の時だった。永井龍男がじっくりと紬出した文章の味わいは格別である。(「青梅雨」などは若い頃…

山川徹著「カルピスを作った男 三島海雲」

山川徹著「カルピスを作った男 三島海雲」読了 大阪箕面の浄土真宗寺院に生を受けた海雲は仏教を学び得度し僧侶となっていたが、志を抱き大陸に渡る。北京で日本語教師を振り出しにやがて商売を始め、その必要からモンゴルに出入りする。(どうも日本の密偵…

三田完著「鵺」

久世光彦をモデルとした演出家で作家の護摩堂充彦が陸軍少将であった父の小説を書こうとして迷い込んだ世界に引き込まれていく。モデルはあの人に違いないと想像しつつ、しかしそんな筈はないだろうと思いながら先へと読み進まずにはおられない描き方と、そ…

宮田昭著「炭鉱の絵師 山本作兵衛」

・ 明治大正昭和の世をヤマの男として生きてきた山本作兵衛が何故にあの様な記録画を描き続けたのか。 生前何度も会っている筆者が彼の人生を炭鉱の如く掘り進む。 夢だった鉄工所経営は長男の戦死で叶わず、炭鉱の警備の傍ら、子や孫に本当のヤマの姿を伝え…

手嶋泰伸著「海軍将校たちの太平洋戦争」

陸軍の政治的暴走はあったが海軍が反対すれば太平洋戦争はなかった。悪しき官僚主義で海軍は開戦を決意し、開戦後は「大艦巨砲主義」「速戦即決主義」「武人的ロマンエィシズム」で戦略を過ち、「士気の喪失への恐れ」で敗戦の決断が遅れたと分析する。 ここ…

ブレイディ・みかこ「ヨーロッパ・コーリング」

帯に「もはや右対左ではない下対上の時代だ」とあるように資本主義に虐げられた人々が声をあげ始めていると云う。移民排斥で気勢をあげる極右報道の影に隠れて見えにくいがヨーロッパの各地で貧困に向き合う勢力が台頭しているとは心強い限りだ。ヨーロッパ…

 桂米朝対談集「一芸一話」

1991年出版の同名本続編で一年祭に合わせて出版された。夢路いとし・喜味こいし(漫才師)、朝比奈隆(指揮者)、小沢昭一(俳優、タレント)、菊原初子(地歌箏曲演奏家)、小松左京(作家)、阪口純久(南地大和屋四代目)、島倉千代子(歌手)、高田好胤(薬師寺管長)、…

「東京の魅力、本の楽しみ 出久根達郎×岡崎武志」

定時で会社を抜け出して丸善ジュンク堂池袋本店での「東京の魅力、本の楽しみ 出久根達郎×岡崎武志」に馳せ参じた。 出久根さんは筑摩書房から「謎の女 幽蘭」を、岡崎さんは扶桑社から「これが私の東京」を出版されたばかりで両書に関するトークイベント。 …

 赤瀬川原平著「世の中は偶然に満ちている」

本当ははやくに読了して5月3日の不忍ブックストリート一箱古本市に出す予定だったが間に合わず、その代わりにとは変だが先週の「ひと月十冊」に選んだ本だ。 著者の死後、夫人が知人に棚の上に置かれた木箱を下ろしてもらうと、その中には日記や手帳が詰まっ…

 与那原恵著「サウス・トゥー・サウス」

与那原恵さんの「サウス・トゥー・サウス」を再読した。 今週末に参加する横浜白楽のTweed Booksさんでのイベント「ひとつき10冊」の1冊にしようと云う思いと共に、来週末西荻忘日舎でこの本の読書会が開かれるからだ。 冒頭の成子坂上にあった沖縄料理「壺…

 斐太猪之介著「オオカミ追跡18年」

・ 4月に岐阜の徒然舎で購入した斐太猪之介著「オオカミ追跡18年」を読了。 こりゃ奇書であった。まさに奇書。 ニホンオオカミが昔から好きで世界中に3体しかない剥製、上野にある国立科学博物館と和歌山大学、それとオランダのライデン博物館にある剥製と全…

[YOUTUBE] 姜信子:文 アン・ビクトル:写真 「追放の高麗人」

日本初のワルツ曲「天然の美」は朝鮮半島や極東ロシアの高麗人にも替歌で愛された。1937年中央アジアに強制移住させられた彼等と共に歌も旅に出たのだった。追放の高麗人(コリョサラム)―「天然の美」と百年の記憶作者: 姜信子,アンビクトル出版社/メーカー: …

「東京人」2014年10月号「大吉祥寺圏を遊ぶ」

「東京人」は住みたい町NO1の吉祥寺を大特集!! 大吉祥寺圏を3キロ圏内と規定し、三鷹や善福寺公園まで含めてその魅力を紹介しています。 この3キロ内に私も住んでいるんですよね。 東京人 2014年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: 都市出版発売日: 2014/09/03…

星野博美著「迷子の自由」

眠られないと呻きながら星野博美「迷子の自由」読了。 見開きのエッセイと見開きの著者が撮影した写真が交互にある。 また内容も、東京、インド、東京、重慶、東京と交互に繋がっている「交互×交互」の読みやすい本であった。インドの写真がいいのよ。 日本…

星野博美著「島へ免許をとりに行く」

星野博美著「島へ免許を取りに行く」読了。 文体が自分に合っていて楽しく読める。猫の死や人間関係で落ち込んでいる時に気分一新、福江島へ自動車免許を取りに行く話。 それだけ?と言ったら、まあそれだけなのですが、島民との交流や初めて知る車社会に対…

山本一生著「哀しすぎるぞ、ロッパ 古川緑波日記と消えた昭和」

山本一生著「哀しすぎるぞ、ロッパ 古川緑波日記と消えた昭和」読了。 ロッパの生涯を彼の日記で語りつつそこに現れる昭和の一段面に光を当てる好著。 登場する人々も個性的で面白い。 実はもし身近にいれば、一番嫌な奴がロッパだったりする。彼は日記を書…

星野博美著「こんにゃく屋漂流記」

祖父母から住み出した戸越、その出身地で屋号「こんにゃく屋」のみなさんが暮らす外房の岩和田、そして江戸時代に漁の為にやってきた紀州へと遡っていく一族のルーツを辿りながら、そこに今を生きる親族の日常と楽しい生きた会話があわさる著者ならではの一…

岡崎武志編 庄野潤三選集「親子の時間」(夏葉社)

十日町の宿で打ち上げ後の深夜、雨音聞きながら岡崎武志編「庄野潤三小説撰集 親子の時間」読了。 旅の途中に就寝前にと少しずつ読み進み、登場する家族との時を共に過ごした感が強い。特に最後の「山のうえに憩いあり」は河上徹太郎氏と家族の交流がなんと…

森岡督行著「荒野の古本屋」

森岡督行著「荒野の古本屋」読了。 格好ええなあ。神保町での古本修行中に昭和初期の不動産物件に魅せられて跳ぶ姿の良さ?? もっとたくさんの苦労や悩みもあっただろうけど、そこは比較的さらりと描写。結構今の若者は跳ぶなあ・・・と印象を最近持っている…

 島田潤一郎著「明日から出版社」

島田潤一郎著「あしたから出版社」(晶文社)読了。 キッチンミノルさんの写真がよくて、飾り気ない素の島田さんの姿に感嘆、本文を読み出すと、これまた剥き身の島田さんが3Dプリンタのように立ち現れて、ここまでさらけ出すのかとこれまた感嘆。 そこで再…

 半田滋著「日本は戦争をするのか――集団的自衛権と自衛隊」 (岩波新書)

今回の出張中に半田滋著「日本は戦争をするのか 集団的自衛権と自衛隊」読了。 今回、首相があげた集団的自衛権を容認すべき事態への対応は全て現行法及び解釈で対応可能である事がわかりました。 今回の集団的自衛権容認の閣議決定はアメリカからの要請と首…

久世朋子著「テコちゃんの時間」

鹿児島ジュンク堂書店で買い求めた久世朋子著「テコちゃんの時間」通勤車中で読了。 読後感の良いエッセイだった。 人それぞれに物語がある。夫との、子供との、母との、父との、兄弟との物語は、お別れしてからも続いていく。 テコちゃんとは朋子さんの夫、…

森まゆみ著「千駄木の漱石」

森まゆみ著「千駄木の漱石」読了。 解剖坂上にある家に住み、文筆家の道を歩み出した、教師が嫌で嫌で堪らない漱石の明治36から39年にかけての愛すべき日々。千駄木の地を呆れ罵倒しながらも愛着を持ち永住しても良いなんて言いながらも、大家の帰国により西…

角淳一著「私は、角淳一です」

角淳一著「わたしは、角淳一です」読了。いかにも角淳一??の本でした。 ご存知ですか角さん?(かどさんちゃいますよ、すみさんですよ) 上品な大阪を感じさせるその言葉使いから、ええとこのボンボンやったんやろうなあ…と思っていたらやはり四條畷のええと…

古川嘉一郎著「たかじん波乱万丈」

古川嘉一郎著「たかじん波瀾万丈」読了。先代小染さんの「なにわの急ぎ星」や「少年の日を越えて・漫才教室の卒業生たち」等愛読書の著書古川さんの本を久し振りに堪能。デビュー前から書き出し、関西のテレビ王になった彼を親しかった著者目線で語る。「た…