桂米左独演会  IN浅草見番


浅草寺裏手のなんとも粋な浅草見番(三業会館ですな。料亭・待合茶屋置屋の三業種の会館です。)
日頃は芸者さんの踊りの披露なんかに使われていると思われる大広間で昨年に続いての開催です。



桂 佐ん吉    田 楽 喰 い


桂 米 左    不  動  坊


中入り



春風亭柳朝    明    烏



桂 米 左    弱  法  師



なんとも贅沢な落語会でした。
お客さんの入りもよくてほぼ満席でした。
佐ん吉さんでは何度も聴いている「田楽喰い」 手堅い笑いで会場があたたまりました。
米左師の一席目は「不動坊」 米朝師匠から直に習ったという古い形ということで期待しましたが・・・
他の方がやられているのと同じでしたねえ・・・
私は「東西屋」(ちんどん屋のこと)の新さんが「祓い給え屋」でやるのかなあ、と期待していたんですがね。
中入り後は東京のゲストで柳朝師。
上方には負けておられぬと・・・「明烏」!!
たっぷりと演じての真っ向勝負という形になりました。柳朝師の明るさがにじみ出るいい噺でしたね。
場所が舞台となった例の場所のほん近くだけに、まさに地元の噺でした。
続いてが、本日のメインイベントといってもいい「弱法師」!!
(ただ、ここまで長講2席続いたので正直なところは、やや疲れ気味でしたね)

「菜刀息子(ながたんむすこ)」を先代米団治師が改題されたもので、岩波から出ている「四世米團治寄席随筆」にその定本が掲載されています。(舞台設定から羽織や着物の柄まで指定しています!!)
「菜刀息子(ながたんむすこ)」は繁昌亭で桂枝三郎師で聴いたことがありますが、「弱法師」は初めてです。米朝師匠もおやりになられず、「弱法師」といえば吉朝師が国立文楽劇場での最後の舞台で口演された事がもはや伝説となっている演目であります。
米左師によりますと、この「弱法師」という能に由来する名は20代の米朝師匠が米團治師匠に勧められたんだそうです。