東海道歩いて考えた

東海道を歩くといろんなものが見えてくる。まあ、東海道でなくてもいいんだけど歩くというのは考える行為に繋がりやすいようだ。車や自転車でもこうはいかないだろう。
日坂宿を過ぎて掛川の郊外に差し掛かると、それまではあまり見かけなかった家先で車を丁寧に洗っている人や庭の植木の手入れを家族みんなでしていたり、もくもくと草むしりしているおばあさんとそこで生活する人々の姿を目にするようになった。
しばらく行くと村総出で草刈り機を持ち出し大草刈り大会のようになっているところに出くわした。談笑しながら川べりの草を払っている。作業が終わり機械の手入れをする人や、今までみたこともない程多くの草刈り機が並べられた広場の横の縁石に並んで座り談笑する男たちの幸せそうな顔を見て、こういう生活が本当に地に足をつけた生き方なんだと思った。
家にじっとしていられなくて何かを探して東海道を歩いている自分には到底味わうことの出来ない、普通の生活の素晴らしさをしみじみと感じたのだった。

しかしまあ、そうは思っても私は歩き続けるのですがね。




これはまだ峠近くの一光景ですが…。