「東京の魅力、本の楽しみ 出久根達郎×岡崎武志」


定時で会社を抜け出して丸善ジュンク堂池袋本店での「東京の魅力、本の楽しみ 出久根達郎×岡崎武志」に馳せ参じた。
出久根さんは筑摩書房から「謎の女 幽蘭」を、岡崎さんは扶桑社から「これが私の東京」を出版されたばかりで両書に関するトークイベント。
「これが私の東京」の二人目が出久根さんであったこともあり終始岡崎さんが聴き手として進行する。
私もイベント後買い求めてサインをいただいたが出久根さんの「幽蘭」はなかなか奇妙な内容で読むのが楽しみだ。
幽蘭というのは実在の女性でいろんな職業を転々をする度に新聞ネタになったという。OLからカフェの女給、果ては大陸に渡り馬賊になったというから驚く。
この本の話しから舛添都知事が行く古本屋の話となり、「都知事如きで古本屋は驚いてはいけません。宇宙人の恰好をした人が円盤の本を買いにきたことがあるぐらいですから」とこれまたほんまかいな!の話しが飛び出した。
出久根さんが頭のうえで手にまるい形をつくり何やら揺らしながら宇宙人の話しをするのがおかしい。

やがて上京話、まずは故郷の茨城での貧乏話。当時、家から4里も離れた町まで自転車で漫画や雑誌を立ち読みに出かけた少年時代、書店の入口にたむろした子供たちが邪魔だから追い返したらどう?という客に向かって女主人が「あの子たちは将来のお客さんだからいいの」と言ってくれたというシミジミといい話しが聴けた。

古本屋の小僧としての修業時代の話しも面白く、またオリンピックまで残っていた江戸・明治の風を感じる話しがうれしい。
はじめて先輩に銭湯に連れてってもらい湯船につかっていると、じいさんが「ごめんねえ 冷えもんでござい」と入ってきた話しなどどうだ!ほんと痺れる。
風呂屋の客相手だから古本屋や貸本屋は11時くらいまで開いていたらしい。しかも開店は朝8時だからすごいや。
明星平凡の古本屋・貸本屋の扱い方なども興味深く聴けた。
最後の質問コーナーで「これが私の東京」にも出てくる勝鬨橋の話しを聞きたいとリクエスト。
一旦締まると2-30分待ちとは驚いた。