丸谷才一・山崎正和著「日本の町」読了

書影から見るとちくま文庫みたいだけれど文春文庫。
古本屋の均一台でぱらっと見て、江戸は江戸城中心ではなく、富士山をランドマークにして偏心的に出来ているという陣内秀信著「東京の空間人類学」の説を感心しながら補強してくお二人の話しに引き込まれて購入。 碩学のお二人が散策した後にその町について語る対談が面白くない訳がない! (当然、牽強付会の展開もあるのですが・・・それもまた楽しい。)選ばれたのは東京含めて8つの町・・・金沢、小樽、宇和島、長崎、西宮・芦屋、弘前、松江、東京。金沢では仙台の伊達正宗は独眼竜と呼ばれる如くに隻眼であったが、前田利家も戦で隻眼となったが肖像画には両目を書いていて(隻眼を)隠している、なんて話から町論を展開するし、小樽は未だ観光地化される前の運河の埋め立て是非に揺れる頃の話というのが今読むと隔世の感がある。関西は「西宮・芦屋」というチョイスが面白すぎる。
解説は川本三郎、そうこなくっちゃ!!
駒場東大前駅近くにある河野書店の均一棚で買い求めた一冊。

日本の町 (文春文庫)

日本の町 (文春文庫)