浪曲三昧 奈みほデビューにガチンコ教室

この2日間はちょっとした浪曲三昧。

5日(水)は半休を取得して東上野の「ギャラリーしあん」に行き、「玉川奈々福イカれてイカした浪曲会2」のお手伝いをした。会のお手伝いは吉坊・奈々福の「みちゆき」だけだったが、同じおひつじ亭さんの会で、それもアタマで一番弟子の奈みほさんが初舞台を踏むというので駆け付けたのだ。東京西郊のオフィス、18時定時で飛び出しても東上野につくころにゃ初舞台は終わっている、ならばと今年度まだ有給休暇残ってるのでちょっと伝家の宝刀を抜いてみたわけだ。緊張したいい初舞台は「阿漕ヶ浦」。

後で奈々福さんが語ったところでは、玉川一門は天保水滸伝など侠客物をやるので、まず武家物を覚えさせる、福太郎師匠は弟子たちみんなにこの「阿漕ヶ浦」を覚えさせ初舞台を踏ませたんだそうだ。それを奈々福さんも踏襲したわけだが、この噺、登場する悪ガキが後に8代将軍吉宗となり、それを裁いた地方行政官がかの大岡越前守忠相で吉宗によって江戸町奉行に大抜擢されるという出世譚で、誠に初舞台にはふさわしい演題だといえよう。

奈々福さんは「浪花節更紗」のロングバージョンとお久しぶりの小沢信夫原作「悲願千人斬の女」、惜しくもこの春には取り壊されてマンションになってしまうという古民家ギャラリーにその声が朗々と響いたのだった。そうそうお三味線は当然沢村豊子師匠!

昨日6日(木)は亀戸で奈々福さんのガチンコ浪曲高座ラス2、少し遅刻してカメリアプラザ6階の和室に入ったら、ひとりずつ前に出て演題にたって「陸奥間違い」を唸っているじゃないですか!後ろの方は座る場所なくて3列目くらいに座る。 一夜漬けならぬ半日漬けでも覚えておいてよかった・・・と思う間もなく、私の番が来て豊子師匠の三味線で語りだした、と書けば格好はよいが実際にはふいに語りだしを忘れてみんなに笑われながらカンニングする始末。なんとか唸り終えて、奈々福さんから「節はオリジナルだけれど三味線にはノッていました」と喜んでいいのかわからない寸評をいただく。(帰宅後、録音を聞いてみたらうまくはないけれど味があってこれはこれでいいんじゃないのと自分に甘い評価をした。)あとは気が楽でみんなの苦戦ぶりを楽しむ。うまい方もおられるけれど、人それぞれに味があって面白い。奥方が沢村貞子みたいな人がいて一人うけてしまった。

終演後、まっすぐ帰るつもりであったが誘われて駅近の行きつけ薩摩おこじょ家へ。みんなとの情報交換が楽しい。おととしもガチンコに通っていて階段落ちで最後は出られなかったけれど、あの時の仲間の中に奈みほさんや先日火曜亭で聴いた東家三可子さんがいたんだよなあ~。再来週がいよいよ最終回がんばらなくっちゃ。

よく使わせてもらったおこじょ家も2月末で閉店だって。