エコー検査&やはり話芸の日々 喬介いいね、から愛山の凄みまで

倦怠感がとれない。しかしいまや、この3文字はコロナウィルス感染のキーワードになっていて迂闊に口にすることが出来ない。14日(金)にオフィスで防災訓練があってみんなマスク着用で中庭に出たのだが、その時横の同僚に「倦怠感がとれなくて」と話し思わず距離をあけられそうになった。イヤほんと。

土曜日は2次検診さぼってて怒られたこともあり自宅近くの医者でエコー検査。画面見せながら解説してもらえてわかりやすい。残念ながら脂肪肝は認めざるをえないし、胆石や腎臓の中にも石が散見出来た。血液も採取し、詳細な説明は来週土曜日。

西荻まで歩いて散髪。客が少ないね。終わってから盛林堂書店で均一他で4冊購入。井伏鱒二「たらちね」八木福次郎「古本屋の手帖」森まゆみ「深夜快読」そして伊丹万作「静臥後記」(生前最後のエッセイ集、もっとも発行は歿後となった。)

一旦帰宅してお昼寝後、その前に電話しといて新宿2丁目「道楽亭」へ。笑福亭喬介ひとり噺「あほかいな」はほぼ満員の入りであった。

喬介 牛ほめ

喬介 花色木綿

中入り

喬介 饅頭こわい

当代松喬の2番弟子で「喬」の字がつく。ほんわかとした喬介色に染まって行って正解だと思えるいい会であった。花色木綿はなんでも裏地が花色木綿と言ってしまう、人によってはくどさばかり目立つ噺だが、それを言ってしまう男が憎めなくてダレない。上方版の「饅頭こわい」はご存知の通り長い。途中に顔を出したおやっさんの話が長くてご馳走なのである。そのおやっさんの怖いモンの話が客席を掴んで離さない感じが良かった。時々アホが発する大声も効果的。私の倦怠感も少々吹き飛び打ち上げにも楽しく参加、喬介さんはほんわか喋ってるけれど胸のうちには熱いものをもったはる事がようわかったのが収穫であった。次回は5月17日らしい。

 

さてあけての日曜日は昼から高円寺演芸まつりで座・高円寺寄席、講談・浪曲の会へ足を運んだ。こちらも満員。

久之介 三方ヶ原の合戦 五色備え

太福 青龍刀権次 (二) 召し捕り 曲師:玉川みね子

鯉栄 源平盛衰記 扇の的

奈々福 寛永馬術 梅花の誉れ 曲師:沢村豊子

仲入り

愛山 敵討ち 母子連れ (菊池寛原作)

 

前座の三方ヶ原が会場を清め、浪曲の玉川と講談の神田にはかぶるネタが多いとの説明から、太福は神田のお家芸だと浪曲の青龍刀権次を笑い多く語って客のスイッチをONにして会場温める。太福とは任侠流山仲間でもある鯉栄が新伯山以外では久方の扇の的を笑たっぷりで語り中トリへ。奈々福梅花の誉れは朗々と会場に響き渡り豊子師匠の三味線も負けずと撥を打った。が、ここまでを全て前振りにしてしまうんだから愛山先生凄いや。

トリの愛山先生、新伯山をセコ伯山だとか元は杉之丞だったか、などといらったマクラで笑をとりながら本編に入ると、先生が声を張り上げずともピンと張りつめた気が客席に満ちた。その中でうかぶ老若二人の武士の鯉釣りの様子、やがて両者共に本意ではない敵討ちへと場は進んでいく・・・。左様なラストを迎えるとは初聴ゆえつゆ知らず定式幕が閉まるのを眺めながら拍手しつつも少し茫然となった。うん、これぞ語り芸。今年は先生をもっと聴きたし。良かったなあ~。良かったねえ~。と仲間で高円寺の早くから開いている居酒屋馬力で一杯やりだしたが、私は1杯だけで失礼して上野山は精養軒へ。

ここなら書いてもいいだろうけれど、それは一之輔後援会の懇親会だ。見知った顔も増えて楽しい夜を過ごさせてもらいました。とさ。