脳ドック経由浪曲行き 国本はる乃独演会@赤坂カルチャースペース嶋

日曜日には脳ドックの予定が入れてあった。会社で負担してくれるというので申し込んだのだ。場所は銀座、といってもほとんど京橋だ。銀座線京橋駅で降りて首都高くぐってスグのところにクリニックはある。予定時間よりやや早く到着したが空いていてスグにCTへ案内された。ヘッドフォン状の耳覆いがあったけど、あの強烈な音は嫌なもんだよねえ。15分程で終了し来週のメールでの診断結果を待つこととなった。

無罪放免ののち、雨上がりの未だ人の少ない銀座を歩く。14時からの赤坂での浪曲会を予約しているんでこのまま歩いてもいいかなと思ったが、しばし銀ブラを楽しむ。そうだ以前行ったなと、木村屋の2階にあがりエビカツサンドなんか頼んでランチとする。目の前の三越へ出入りする人々を眺めているのも面白い。食後、歩るいて行くのはやめにして銀座線で溜池山王に出て会場へ向かった。

 

国本はる乃独演会〜国本武春トリビュート@赤坂カルチャースペース嶋

はる乃 伊達騒動異聞 伽羅の下駄

稲田和浩 国本武春師との思い出

はる乃 若き日の大浦兼武

仲入り

はる乃 矢頭右衛門七

曲師:沢村豊子

 

全員マスク強制のうえ、途中何度も換気をするという万全の体制で開かれた浪曲会。はる乃さん3席中、1席目はちゃんと出来上がってなかったのか途中飛ばして、ここからあの節で、と豊子師匠にお願いしたもんだから「ちゃんとやってない」と口演中にお叱りを受けることになって、あとから友達のさるえ堂は「まるでゲネプロだ」とぽつり。あとは無難に換気を繰り返しながら終わったが、今日の後の2席については、う~んと考えさせられた。何を?って、まず「若き日の大浦兼武」の大浦兼武って知ってる?普通知らないでしょ。歴史好きの私でも知らないよ。調べたら後の内務大臣で問題発覚し辞職した人なんだけれど、この人の浪曲は今の世に必要なのか?と思いますよね。警視庁抜刀隊に組み込まれ西南戦争に参戦するあたりには血沸き肉躍る感じが少しはあるのですが、、、いかがなものでしょうか。かえって侠客物などの反体制側の人々の物語が今でも現代の我々の涙腺にふれるものがあるように感じるのです。もうひとつの矢頭右衛門七赤穂義士外伝の母子物で、息子の邪魔にならぬように自ら命を絶つ母を描く、落語でいえば前代円楽師が涙ながらに語った 「浜野矩随」。あれも母が自害しますが今の我々には死ぬ必要はないだろうと思えるし、噺家達はそこで悩みながらそれぞれが改作を重ねているのです。そこを考えた末、ではなく「古典だから、伝統だから」と考える事を止めて母を死なせて良いものなのか?そこが悩みところなんです。どうでしょうか?なんてことを悩みながらも4・5月予約して、何故だか総理官邸におそらく一番近い居酒屋で打上げをしたのでした。