コロナの日々 なんだかコロナ前のような土曜日日曜日

6月5日(土)昼前に高円寺の西武古書会館「杉並書友会」へ。買い求めたのは・・・

「巡礼参拝用語事典」

「大阪ことば学」

「日本の美術12 霊廟建築」

季刊藝能東西 1977年1月 寒牡丹号」

それと、真っ赤な花の表紙の古い「群像」に戦前の絵葉書3枚。

真っ赤な花の絵はなんと香月泰男! それと「藝能東西」はこれでようやく10号が揃った。2013年に当時は千駄木にあった古書ほうろうで10巻揃いを眺めて以来8年が過ぎ去りましたよ。

そこで岡崎武志さん(以降は岡武師匠と呼びます)と合流、駅前でランチをとってから赤羽行のバスに乗り込んだ。このワープするように走るバスは滅茶苦茶便利。東京の北東へ簡単に繋いでくれていいですね。赤羽到着後、JRで王子に移動しました。そう目的地は王子なのでした。夕方から北とぴあでの三遊亭白鳥古今亭菊之丞二人会に行くのですが、その前に王子散歩をしようという楽しい企画であります。

まずは石神井川をやや遡って北区中央公園へ。広くて樹木が生い茂った公園でしたが、葉が1mくらいの高さから茂っていて全体的に暗い感じですね。井の頭公園なんかは2~3m上で茂ってた印象なんですが。公園の中央にある中央公園文化センターが岡武師匠の目的地で、ここは陸軍の造兵廠火工廠事務所として建てられたものだったんです。つまり、この公園一帯は東京の兵器工場であった訳ですね。アジア最大の砲兵工廠が大阪の京橋にありましたが、あちらは終戦直前に大規模な空襲があり焼き尽くされました。しかし、こちらは戦後GHQに接収され米軍の兵器補給工場として朝鮮戦争からベトナム戦争と使われ続けてきたのです。公園の北側には今でも陸上自衛隊の十条駐屯地があります。敷地内では自衛隊の親子でしょうか。フリスビーを楽しんでいる姿がありました。その横を通って次に向かったのが、北区立中央図書館。ここは造兵廠火工廠の赤レンガ倉庫を取り込んだおしゃれな建物でした。こうした形でも戦争遺産を残してくのは重要なことだと思いますね。この図書館には、晩年北区に住まいしたドナルド・キーンさんが蔵書を寄贈されていて、その一部を閲覧したり、展示されているコーナーがあり魅了されました。これはまたひとりでじっくり来たいな。

その後、映画「十九歳の地図」の舞台であったバラック街跡を通り(岡武師匠はこのあたりに来たかったそうです)、名主の滝公園から落語の舞台王子稲荷神社を見物し北とぴあに入りました。

三遊亭白鳥古今亭菊之丞二人会

まめ菊 寿限無

菊之丞・白鳥 ご挨拶

菊之丞 お菊の皿

白鳥 最後のフライト

中入り

白鳥 座席なき闘い

菊之丞 鰻の幇間

この異質なカップリングはどうでしょう?炒飯に澄まし汁みたいじゃないですか。

まずはご挨拶での前座修業時代の話が面白かった。怒ってばかりの師匠や、自分の師匠と仲の悪かった噺家の話、今の文楽のなにかにつけそのままを話すってのも面白かった。赤い服着てると「赤いねー」、食べてると「食べてるねー」という感じ。落語では「鰻の幇間」がハマり過ぎって感じでしたね。なんかそのままを見せられた感じでした。白鳥では「座席なき闘い」が面白く、もっと聴きたい噺家のひとりだなと再認識させられました。ハネてからは夕食難民と化し、何件回ったかなあ~。立ち食いソバやももう少しというところで無常のシャッターガラガラだしね。結局、松屋で急かされながら牛丼をかき込む始末となってしまいました。

 

6月6日(日)雨ザーザー降ってきて、の6/6だ。みなさんご存じかな?

14時から高円寺ちんとんしゃんでの林家たけ平さんの落語会に参加。2日続いての落語会なんていつ以来だろうか。

たけ平 浮世床 本と夢をたっぷり

中入り

たけ平 五人廻し

「五人廻し」は好きな噺じゃないけれど、昼間の外光射す中で聴く廓噺なんざ、ちょいと乙なものでした。さて、打ち上げは出来ないのでノンアルでの茶話会。ここだけ、2日間でこの1点が違えば、コロナ前のような土日であったわけなんです。もっともマスクはしてましたがね。