ちりとてまんのコト

少し思い出話。
2007(平成19)年の朝ドラ「ちりとてちん」にはハマりました。しばらくご無沙汰していた落語、上方落語に引き戻してくれたのもこの朝ドラだった。
ドラマに魅了された私は、当時「朝ドラ雑記帳」のような名前のブログがあり、そのコメント欄に書き込みするのを毎日の楽しみにしていた。その常連のひとりに「ちりとてまん」という方がおり、細部へのこだわりが妙に面白くコメント欄でちょくちょく会話したものだった。
その後、何故だか朝日新聞で「ちりとてちん」に熱狂的支持者がいると、このブログ他が取り上げられ、そこでは「ちりとてまん」さんが取材を受けていてとても驚いたことを覚えている。
さて、私が帰阪する毎に立ち寄る地元の居酒屋に「ちりとてちん」がある。朝ドラより古くからある落語好きの亭主女将のいる店で、立ち寄った際には当然のように上方落語やこの朝ドラの話題をしていたものだが、ある時にその新聞記事の話題となり、「ちりとてまん」さんの話をすると「常連さんやん」というではないか。びっくりしていると「毎日来はるよ、そろそろちゃうかな」なんて女将さんが言ってるうちに本当に来られたのだった。
こんな事ってある!と驚きつつも、ちりとてちん話に楽しく花を咲かせたのは言うまでもない。それ以来帰阪してはお店で、またはアマチュア落語会などでちょくちょくお会いしてはちりとてちん話などしてきたのだった。
そんな「ちりとてまん」さんの訃報が入った。
闘病されていたとは聞いていたが、コロナ禍で永らくお会い出来ない中でのお別れは切なすぎるじゃないか。
よし、いつの日か必ず福井の梅丈岳に行ってかわらけ投げをしよう。
「ちりとてまんが天国で幸せにおんなりますように~!」と叫びながら。 
黙祷。