京王井の頭線駒場東大前駅にある「日本民芸館」に行ってきました。
少しばかり迷いまして(私はある程度推定で動いてしまうんですよね)センター試験真っ最中の東大敷地内に迷い込んだりしながら、ようやく到着しました。
場所は吉祥寺から向かえば一番後方の出口を出て進行方向に向かって左手、まあ北側ですね、の道を戻る方向(西方向)に少しばかり行きますと「お城!!」と勘違いするような建物があらわれます。


これが旧柳宗悦邸の門で、なんでも栃木の豪農長屋門だかを移築して、それを玄関にしたそうです。昭和10年築のお屋敷は昨年まで日本民藝館の物置のような状態だったのをきれいにして一般公開をはじめました。以前、NHK教育の「新日曜美術館」でも取り上げられていましたね。
一度行ってみたいと思っていたのですが、このところ京王電車車中にこの柳邸の案内が掲示されており、ではっとやってきた次第です。この旧柳邸はこれまたお城のような日本民藝館と道路を挟んで向かい合っています。
(そうそう、旧柳邸の公開日は確か第2土曜、第3土曜だけだったと思いますので、行こうと思われた方はご注意を!!)
まずは日本民藝館に入ってチケットを購入・・・旧柳邸含めて1000円でした。

玄関ホールは天井も高く開放感がありますね。壁には柳宗悦が大きく引き伸ばした高句麗の古墳の壁画写真(モノクロ)が飾られていました。
家は落ち着いた雰囲気で結構なものでした。


右上は玄関から居間&食堂を眺めたところです。中央の机は有名な黒田辰秋のつくったものですよ。
左下は階段ですが、支柱の上部もきれいに面がとってあり、手摺が竹なのもいいですな。
右下は書斎入口にあった手洗いですが、陶器が面白かったですね。

書斎も許可を得て撮影しましたが、アトランダムに並んでいるところが大変面白かったですね。至る所に志賀直哉の著作がありました。そうそう、柳宗悦って誰?という人も多いでしょうね。彼は日本民芸運動創始者ですね。彼のおかげで多くの文化財も救われました。そして蒐集した民芸品を展示するために日本民藝館をつくったんです。
彼は白樺派に所属していて、そんな関係から志賀直哉とも親しかったのです。直哉の随筆にちょくちょく出てきますよ。

彼の書斎の本棚はこんな感じでした。

撮影して一番きれいだったのは廊下の写真かな?

このあと、民芸館に入り、ホント堪能したのですが、その話はまた別の機会でアップさせていただきます。
その帰り道、私は車中で「よかったなあ」と民芸館のパンフレットなどを読んでいました。大津絵や木喰上人の仏像などホント素晴らしいものでした!!
なんて、考えていると・・・前の座席では幼稚園から小学校低学年の子供らが騒いでいましたが、一番小さな男の子が「ジャミラ!!」と叫びました。
フト目をあげると、まごうことなきジャミラの10センチ程度のフィギアを手にしているではありませんか?
ちょうど、この子と同年代にウルトラマンを見ていたなあ・・・と民芸そっちのけで思いにふけってしまいましたよ。その後、他の子が「ケムール人が好きだ!!」なんて言い出して、子供の頃、ケムール人を怖がった従妹をみんなでケムール人の写真片手に追っかけたのを思い出しました。
僕らの世代にとって、民芸もウルトラマンも同列なのかもしれませんね。




ジャミラ