アメリカでは子ブッシュの後任をめぐって激しい予選が繰り広げられていますが、どうも民主党勝利は既成事実のようで、オバマVSヒラリー・クリントンという図式のようですね。
バラク・オバマが初の黒人大統領になるか? ヒラリー・クリントンが初の女性大統領になるのか・・・注目が集まっています。その点、共和党候補にはそういった目新しさがないようです。
ただ、架空の世界では「24」のパーマーのように黒人大統領は当然の世界となっていますが、実際にはまだまだ人種問題は根が深いようです。

昨日(1/16)の朝日新聞朝刊に『人種の溝 深く』と題して黒人高校生逮捕の「ジーナ6」という記事が掲載されていました。

ルイジアナ州ジーナという町のとある高校の校庭には一本の木があり、その木陰には白人しか座れない、という暗黙の了解があることからホワイトツリー(白人の木)と呼ばれていたんだそうです。それに黒人学生が抗議し、黒人学生がその木陰に座ったところ、その翌日にはその木に人種差別等の象徴とされる「首つり縄」がつるされていました。
それから白人学生と黒人学生の間で争いがおこり、06年12月に1人の白人学生を殴り倒したとして6人の黒人学生が逮捕されてしまいました。
「首つり縄」をつるした白人学生は3日間の停学ですみましたが、この黒人学生達は「殺人未遂」に問われたことから、人種差別問題として全米でクローズアップされ、ジーナで全国から人が集まり1万人規模のデモがおこなわれるにいたっています。
この事件は町の名前をとり「ジーナ6」と名づけられています。

殴られた白人学生は顔が脹れていたものの通学が可能であったのに、「殺人未遂」とはなんとも重過ぎると思うのですが・・・ジーナの白人社会に取材すると全く逆の話が出てきているのです。

そもそも「白人の木」はなく、それ自体が作り話であるというのです。校庭の木陰には白人も黒人も座っていたし、「首つり縄」もロデオチームをからかう冗談でしかなかったんだと・・・ 黒人学生は後頭部を強打されて意識を失って倒れたところを踏みつけたので、十分「殺人未遂」なんだと・・・また、黒人学生達は札付きのワルで住民の多くが逮捕を喜んだんだとも白人の証言者は話しているのです。



全く相反する証言には言葉を失ってしまいますが、それだけ人種差別の奥深さを物語っているのではないでしょか。
なんともやりきれない話ですよね。