橋本明著「棄民たちの戦場 米軍日系部隊の悲劇」
またまた重い本を読了しました。
- 作者: 橋本明
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/06
- メディア: 単行本
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
本の腰帯にこうありました。
「真珠湾攻撃により『敵性外国人』と虐げられ強制収容所に隔離された日系人たち。同胞の名誉のため自ら志願し、アメリカに忠誠を誓った彼ら『第四四二歩兵連隊』が送られた先はフランス奥深く、ドイツ軍との激戦地だった―。第二次大戦時、日米の狭間で翻弄された移民たちの葛藤と、その生きざまを受け止めた日系三世四世の戦後」
いやあ、日系アメリカ人が強制収容されていたことも、日系二世がヨーロッパ戦線に送られたことは知識として知っていましたが、なんと上辺だけであったことか・・・。
特にフランス戦線で投入されたのが・・・独軍に完全包囲された、第141テキサス歩兵連隊第1大隊救出作戦でした。このテキサスの連隊は映画「アラモの砦」にでも出てくるアメリカ開拓時代から続く象徴的な連隊であり、アメリカ国内ではなんとしてでも救出しろ!!との声がたかまり、フランクリン・ルーズベルト大統領直接命令により救出作戦は敢行されることになったのでした。それを担ったのが日系2世の部隊だったのです。
日系人の強制収容所行きの法案に署名した大統領が、(間接的ではありますが)その名誉回復を願って出兵した日系部隊に頼ることになった皮肉!!
この戦いに先んじて、日系部隊はイタリア戦線で多くの犠牲を出しながらも突破口を開く活躍をしたがゆえに、今回の作戦にも指名されたのでした。
そして、やはり多くの犠牲者を出してしまうのです。