祝 桂米朝師匠文化勲章受賞!!


THE 米朝(DVD付)

THE 米朝(DVD付)

上方落語の四天王のお一人である桂米朝師匠がこのたび文化勲章を受章されることとなりました。
おめでとうございます♪


米朝師匠はやはり上方落語の巨人というしかなく、その功績は類いなきものです。

埋もれた噺の復元をされると共に、古い噺の導入部のマクラの創作・・・これ等のお世話になっている噺家がどれだけいることでしょうか。
また、全集刊行と、大量のCD・DVDの発売により、米朝落語が上方落語の定本になった感があります。いち早くホール落語を開催成功されて、それを全国展開し、上方落語を全国区のものとされた功績も大きいですね。

その他にも上方の資料収集と成果の発表や、他の上方芸能の師匠方との交流(上方風流)など、そのグローバルな活躍を考えますと、今回の文化勲章受賞は落語家プラス上方芸能研究家の学者でもある面も高く評価されての受賞なんでしょう。
改めて米朝師匠の「落語と私」[上方落語ノート」をはじめとした著作も含めて読み返してみたいものだと思います。

いやはや、やっぱり巨人ですなあ・・・。


ただ、余りにも米朝落語が定本になってしまった為に各系統別の色というものがいささか薄まってしまっている気配も感じられます。また米朝一門では神聖化、というと大げさですが弟子筋では一言一句替えずに演じる方も多い・・・まあ、実は私共もそれはそれでうれしいのですがね。(笑)
その大米朝を超えんと、爆笑王枝雀師が現れたのですが、道半ばで挫折されてしまわれました。次に挑戦するのは誰なのでしょうか?




今朝探して読み返したのが、「まわりまわって古今亭志ん朝」での大須演芸場席亭・足立秀夫さんへのインタビューでした。

足立氏は戦後に大阪で不動産屋をやっておられ、「角座」や「千日劇場」に入り浸っていたそうです。笑福亭松鶴師匠とお付き合いをされていて、松鶴師匠は米朝師匠を「あんなもん・・・」と口ではいいながら一目置いていたが、やはり、米朝師匠は生粋の大阪弁ではない擬似大阪弁だったので大阪の芸人には風当たりが強かったね。と以外なことを語っておられるのです。
さらに、
有名なお囃子の林家トミ(人間国宝・2代目林家染丸夫人)は「中川(米朝)はあかん。あんなのは落語じゃない。やっぱりこれからの上方を背負うのは日出(6代目松鶴)さんや、日出男やね。日出さんが一番や」と言い放ち、米朝師匠が一席やってお囃子のおばさんに「お師匠はん、今のどないでしたやろ」とご愛想で聞いてみると、「あれ・・・・今の落語か?」とイケズされたという話もされているのです。
決して、最初から仲間内にも認められての、順風満帆な芸人生活でもなかったんですね。


今や東京の地で米朝一門の落語にドップリと浸かってしまっている私にとっては、上方落語といえば、まずは米朝師匠、米朝一門となっているのです。(と言うか、上方落語にはまったのも、米朝師匠、枝雀師からなんですがね)
米朝師匠、本当におめでとうございます!!




■スポーツ報知 「桂米朝文化勲章を受章…落語家初の快挙!」
http://hochi.yomiuri.co.jp/osaka/gossip/entertainment/news/20091028-OHO1T00087.htm





まわりまわって古今亭志ん朝

まわりまわって古今亭志ん朝



追伸:11月7日に池田市民文化会館で開催される「桂枝雀生誕70年記念落語会」に行く予定ですが、ひょっとしたら、この落語会が受賞後初の高座になるかもしれませんね。