「黒澤明生誕100年記念画コンテ展 映画に捧ぐ」

夕方から恵比寿に出掛けてきました。
久し振りだなあ・・・恵比寿ガーデンプレイス!!
その一角にある東京都写真美術館で開催中の「黒澤明生誕100年記念画コンテ展 映画に捧ぐ」を見るためです。
クロサワさんの絵コンテは何度となく見ているんですが、ついつい行ってしまうんですね。




濃厚なイメージがあふれていて、やはり素晴らしいですね。
「影武者」や「乱」は製作出来るかどうか見えない状態で、クロサワの中にあふれる思いがこの絵コンテとして結実しただけに迫力がありますね。
「夢」のマーチン・スコセッシ監督所蔵のゴッホのシーンの絵コンテも素晴らしいものでした。これはまさに絵コンテですね。スコセッシ監督扮するゴッホがどのように動くのか、それがどのように撮影されるのかが一目でわかります。

ただ、これらの絵コンテも作品が完成してしまうと、監督の思いが結実したフィルムがある訳で、また、ほとんどの場合、そのフィルムはこれ等の絵コンテを凌駕出来ていないので、むなしい思いが残ってしまいます。(少なくとも私にはね・・・ また、公開前にこれ等の絵コンテが先行発売されることが普通になっていましたから、その絵コンテで観客側が勝手に膨らましたイメージと実際の公開作品のギャップをその都度感じていたのです。)

それだけに、実際には作品にならなかった「夢」のエピソードや、「海は見ていた」の絵コンテは『これだけで完結』しているとう捉え方も可能であり、『作品』として迫ってくるものがあるのでした。


※「海は見ていた」は後年、熊井啓監督で映画化されています。



東京都写真美術館黒澤明生誕100年記念画コンテ展 映画に捧ぐ」
http://syabi.com/contents/exhibition/index-328.html