ガムラングループ・ランバンサリ自主公演「青銅音曲ⅩⅧ」 ガムランの扉2016


今日は浪花の浪曲に行くか日本人のガムラン楽団聴きにいくか悩んでいたら、浪曲完売ときいて日暮里サニーホールへガムランの扉2016を体感しに行く。
到着すると人であふれている。うわーこっちも満席だ。
主催者側の予想を大きく越えた来場者数だった様子で、椅子席も桟敷席(とはいっても床にフェルトのカーペット敷いただけだが、)そこもいっぱいの大盛況。
こりゃ困ったなあ〜と悩んでいたら、主催者側に配慮いただいて何とか座って楽しむことが出来た。


開演前演奏  器楽曲「クルントゥン」


第 1 部

古典曲 「ウィルジュン」

解説コーナー 「ガムランのアレンジについて」

古典曲 「ダマルケリ」

仮面舞踊「トペン・グヌンサリ」(舞踏:川島未来)


第 2 部

ルー・ハリソン作曲「ジャワ・ガムランとヴァイオリン、チェロのための二重協奏曲」 (ヴァイオリン:亀井庸州・チェロ:多井智紀)

男性荒型舞踊「ガトコチョ・ガンドロン」 (舞踏:リアント)




ランバンサリと云う日本人のガムラン楽団で1985年に結成されている。

会場に到着すると開演前演奏の「クルントゥン」が静かに流れている。これがいい。ああ、この世界に行くんだなあ〜と気持ちが高揚してくる。
文楽で開演前に三番叟を演じるのに似ている。
インドネシアジョクジャカルタに行ったのは2012年、もう4年も前だ。現地でもガムランに多く接する機会があり言葉がわからなくてもこの旋律に身を委ねる心地よさは知っている。
1部ではちょっと人形劇もあり楽しかったが、メインエベントは2部だ。


ガムラン西洋音楽に大きな影響を与え、今や世界中にガムランの演奏者がいるという。アメリカには2-300もの団体があると解説で聞き驚いた。そのアメリカでガムラン西洋音楽の融合をはかった一人がルー・ハンソン(1917〜2003)だ。彼の作品「ジャワ・ガムランとヴァイオリン、チェロのための二重協奏曲」は3楽章からなり、不協和音に聴こえるものから、ヴァイオリン・チェロがメインなもの、そしてハリソンが考えた融合の形と3楽章が繰り広げられる。
不思議なことに、ガムランと弦楽器が共演すると弦楽器の音が硬質に聴こえる。木の文化と石の文化の違いか、と云う様な考えが頭をよぎった。普段はヴァイオリンの音色には柔らかさを感じるというのにどうしたことか、ガムランの方がより柔らかいのだろう。しかし西洋の方が聴くと全く違う感想を持つに違いない。


男性荒型舞踊は世界的に活躍されているリアント氏の動きに目を見張った。
ぶれない体幹、逞しい腕の動きながら指先がなんともしなやかなのだ。見惚れた、いやいい物を見られた。
リアント氏は日本の役者や舞踊の方々と交流あるのだろうか? 是非、日本のプロにも見て欲しい。なんでもオーストラリアで氏の映画制作中だそうで、それも是非見てみたいものである。