文楽カフェ@神保町クラインブルー

ゲスト:文字栄太夫

太夫師匠の一番弟子で今年亡くなられた師の話しを感情込めて機関車の様に熱く語られた。
今年になってからの体調の変化を話されてから、師匠は何度も「わしはええ星の元に生まれてる」と言われていたと話しを進めていかれる。いい話を聞けた。

内弟子は2、3分のアパートから通いで最後に風呂に入って流して掃除してから帰ったと。稽古は厳しかったがTV放映の様には怒られなかった、あれは団十郎丈への稽古風景が話題になりああなったのではと推測された。
師匠を育てたのは2代目喜左衛門師だと思っていると高音の出し方の話しへ

高音は、眉間の少し上を指しココを使えと、ここを突き抜けろ、裏(声)に逃げたらあかん、裏とおもての中間や、突っ張った裏声やと聞いているだけではようわからん教えで、同じ様に勉強に来た太夫にも教えるので皆わからんと言っていたそう。誰方の教えですか?と訊けば喜左衛門師匠の名前が出たと。

師匠(住太夫)は近松門左衛門作品が好きでなかった。文字数が五七調じゃないところもあるが、やはり戦後の野澤松之輔さんの復曲時の再構成が削り過ぎて『曽根崎心中』の天満屋の段にしても深みがなくなり、語っていても面白くなかったんだと思います、とも言われていました。