露の新治落語会@深川江戸資料館


ご挨拶


紋四郎 延陽伯


新治 阿弥陀池


ジキジキ 音曲漫才


新治 まめだ


中入り


東北笑生会座談会


新治 宿屋仇



新治師を3席聴ける至福に酔った夜でした。

弟子の真打披露口上の後に抜け出して駆けつけたさん喬師匠も舞台に出て来てのご挨拶があり、それはそれは大拍手。そう、深川江戸資料館は満員の盛況でありました。

今日の3席・・・「阿弥陀池」も「まめだ」も良かったが「宿屋仇」の粋なことといったらありませんでしたね。





さて、紋四郎さんは「延陽伯」の風呂屋での妄想を抜かして、しかし賑やかで楽しい開口一番としてはグッジョブな仕事振りで会場を温めて、そこに新治師登場であります。

冒頭でご挨拶があった東北笑生会の話しにも少しふれて尼崎でのご自身の会がそこでの集客新記録になったけれど、それは隣の西宮での喬太郎の会へのハシゴの落語好きが何人もいたからやと知り喜びも半減、西宮芸術劇場のキャパとそれが瞬時で売り切れたと知り更に喜びの気持ちは落ち、しかもそれが2日間と聞いて喜びはなくなった、となんとなく考えさせるマクラから入ったのはネタ出しされていた「阿弥陀池」、東京に移って「新聞記事」ですね。(そうそう「延陽伯」は東京の「たらちね」です。)初代春團治のクスグリが残る阿弥陀池をその曽孫の代にある新治師がやる愉快さがありました。東京ゆえ抜かれたのか「植木市冷やかしてすまんだで一杯やったやないかい」が抜けていたのが少し寂しかったけれど、そこはマクラで仕込んだ尼崎と西宮が爆発したので吹き飛びましたわな。成る程ねえ、東京のお客さんに尼崎と西宮をインプットするための戦略だったんだ。

続いては最初出てきた時は何やら怪しげでもあり、(失礼!!)手拍子を強要されても乗れないよ、てな感じだったのが段々と会場を祝祭空間に変えていって何を聴きに来たのか忘れてしまう程に楽しくなったジキジキさんは最強のイロモノでした。


「まめだ」のトンボ切る型の美しさと豆狸の哀しさに添う銀杏の黄色。
そして東北笑生会の座談会を挟み、「宿屋仇」。いわゆる上方本寸法だな。小さなクスグリは入れておられたが見事な高座であった。花もあり、凄味もありまさに堪能しました。色事師の武家の婦人が自害するかどうかのカットバックの描き方の見事さよ。
新治師は目線がご馳走なんですよねえ。