小泉知樹著「彼女はウソをついている」

彼女は嘘をついている

彼女は嘘をついている

昨日、東京から戻る際に吉祥寺地下の啓文堂書店で小泉知樹著「彼女はウソをついている」を買い求めました。あずさ車中では眠っていこうと思っていたのですが、ちょっと読み出したところ、まさに「巻置くをあたわず」状態で、その日のうちに読了しました。
本の腰帯に「それでもボクはやっていない」の周防正行監督がコメントしています。


「無実であっても、無実になるとは限らない。この事件に対する怒りが僕の映画の核心だ。」


通勤の身動きも出来ない超満員電車で突然右手を掴まれて「痴漢です」と言われる。そこから著者小泉知樹氏の人生は暗転することになるのです。なんという理不尽なことか!! 映画「それでもボクはやっていない」はこういった痴漢免罪事件をもとにしたフィクションですが、この本はノンフィクションであることが驚かされます。
なによりも読んでいただきたい一冊です。
この本にしろ映画にしろ日本の裁判制度の硬直化した様には驚かされ、悪寒が走る思いです。こんな思いをするくらいならば痴漢に限らず冤罪の容疑がふりかかった時点で認めてしまった方がどんなに楽だろう・・・そういう思いにかられます。
もし、あなたが突然痴漢に間違われたとする。何気なく駅事務所にいってしまうが最後、否認したままでも警察に行かされる。「やりました」と白状すれば半日で釈放されるが、否認し続けると、何ヶ月にも渡り拘留されるうえに裁判費用・莫大な保釈金を払わされ、延々裁判続けたあげく刑務所で2年弱のお勤め・・・なんてやってられませんよね。

まさに映画と本・・・ひと昔前のコピーですが、



「読んでから観るか、観てから読むか」