小林聖太郎監督作品「かぞくのひけつ」

sampodow2007-12-27

久し振りで映画を観ました。
長らく助監督をつとめていた小林聖太郎さんの初監督作品「かぞくのひけつ」です。
渋谷ユーロスペースでのレイトショウという事で夜の8時過ぎからノソノソと渋谷まで出掛けてきました。
まあー渋谷はえらい人ですわ。どこかで延々と火災報知器がなり続けているしね・・・
ユーロスペースと言えば、映画好きには一種の聖地のひとつみたいなもんで、昔から名前は知っておりましたが、えらい処にありましたよ。
道玄坂を登っていって、交番前の信号で右折、もう正真正銘のラブホ街ですがな!! 私を追い抜いていったカップルがスルッと入っていきました。(何を観察しとんや・・・)
まあ、そんな環境の真っ只中にユーロスペースはありました。

かぞくのひけつ

これはいい映画でしたよ。大阪十三が舞台・・・もうコテコテの舞台ですな。
そこで不動産屋を営む夫婦が桂雀々(じゃくじゃく)と秋野暢子、その息子が主人公の久野雅弘君ですわ。この雀々が女にだらしのうて次々に女に手を出す。秋野暢子は勘がええので、いやがる息子を金でつって偵察させる。オンナのアトをつけてた息子はオンナにかんづかれ、自分は息子であり家は不動産屋であること等を告白させられるのでした。
ある日、家に帰ってくると、その愛人が自宅の不動産屋で働いていた!!(写真は妙な一家団欒の風景です。左から秋野母、雀々父、久野息子、そして愛人役の「ちすん」(芸名らしい))
久野少年にはかわいい恋人がいるのですが、彼はホテルのシーツから性病に感染したと悩んでいて、その為に手を握ることもガマンしているのです。勝気な彼女はそんな彼にご立腹なのでした・・・
まあ、こんな映画なんだが、この監督なかなかの腕で、決してテレビドラマでは出ない、映画独特の空気を映しこんでおり、私は大笑いしながら抱腹絶倒したのでした。
こんな素晴らしい映画が東京ではこの渋谷ユーロスペースのレイトショーのみとは残念で仕方がないですよ。全国拡大ロードショ−が出来ないものですかね?
脇役もスゴいですよ。上岡龍太郎の弟子九十九一(つくもはじめ)と大空テント、テントがこれ程いかされた作品はテレビのバラエティでさえもなかったのではないでしょうか。

http://kazokunohiketsu.com/

上の公式サイトのポスター右上の変な顔がはテントさんです。他に「ちゃんばらトリオ」の南方英二、「探偵!ナイトスクープ」でおなじみの長原成樹、そして浜村淳と「ありがとう浜村淳です」のコンビ桜井一枝・・・ 

この小林監督のスゴいところは、私は見る前からハマムラはんが出ることは知っていたんですが、それがやはりベタなんやけれども、サラっとしていて嫌味じゃなかったことです。これは中々出来ませんよ!!あの浜村淳を自家薬籠中のものにしちゃってるんですからねえ。

音楽がまたいいんですよね。テントの謎の唄「行き先は若者」もぶっとびながら味が出ているし、Fiat Three の音楽も気持よかった。
そ、それと始終出てくる阪急電車のあずき色がうれしいのです。淀川の土手もなつかしい・・・ 力の抜けたゆるーい大阪がそこにあります。

まあ、色々書きましたが、一見の価値ありです。どこかで公開していたら是非とも駆けつけてくらはい。




P.S.小林監督で検索していたら驚愕の事実が判明しました。なんと、監督のお父さんは、か、上岡龍太郎だったのです!!

http://mytown.asahi.com/kyoto/news.php?k_id=27000170612070001