いやいや、そんな悠長なことを言っておられない事件がおこりました。
大阪は大東市にある平野屋新田会所の取り壊しです!!



http://hiranoya-kaisyo.sytes.net/



写真は平野屋新田会所の長屋門です。どうです!!この堂々たる風格は!!!
しかし、全く驚愕すべきことにはこの江戸期の長屋門は今年1月に重機のツメにより跡形もなく壊されていまったのです。

このHPと、3月8日(土)朝日新聞大阪版の夕刊の記事でナゼそんなバカげた、そして悲しい結果になってしまったのかを追いかけてみましょう。

この「平野屋新田会所」は「大和川付け替え工事」後の新田開発時に建てられたものです。(今から300年前の元禄時代
以来、所有権は以来点々とした挙句に、競売にかけられ、昨年1月に奈良市の不動産会社が宅地開発を前提に5億2千万円で落札してしまい、この1月にとうとう取り壊されてしまったという訳です。
一番の原因は、この「平野屋新田会所」が文化財に指定されていなかったからなんです。
去年には国会でも取り上げられ、伊吹文科相が「保存が望ましい」と答弁し、文化庁も史跡指定に前向きだったにもかかわらず、指定することが出来なかったんです。一体、ナゼでしょうか?

そこには現在の「文化財保護法」の落とし穴があったのです。

文化財指定には所有者の同意が必要である。』

売ってしまいたい所有者、宅地開発したい所有者から、そんな同意をとれるハズがありませんよね。

ようやく重い腰をあげた地元大東市も市の予算5億円に「考える会」が集めた寄付金5千万円を加えて提示したのですが、業者側は金利負担等を理由に数億円の上積みを求めて交渉は決裂してしまいました。

そしてこの門も何もかも壊されてしまいました・・・・


私は、この平野屋新田会所に行ったがありません。また、たとえ残されていたとしても行かなかったかもしれません。しかし、この立派な長屋門を見ると、この地に生まれ暮らしてきた人達にとってはこの門や屋敷、屋敷林は「誇り」であり、アイディンティティの一部だったに違いなく、その人達のくやしさや悲しさを思うととても人事とすます訳にはいかないのです。

私達は、このような文化財破壊が繰り返されないためにも「文化財保護法」の改正等を国に働きかけていかねばなりません。

ところで、このニュースは全国版に(たとえ片隅にでも)掲載されたのでしょうかね?