今川・上井草から石神井散歩

このところ、川本三郎さんの本を何冊か読みまして、そゞろ神の物につきて心をくるわせたのか散歩欲望がムクリと沸き上がってこの日、今まで歩いたことのない場所を散策しようと家を出ました。

家近くの久我山のバス停から西荻窪経由荻窪行きのバスに乗車、西荻を過ぎ、青梅街道をバスは東へと走ります。荻窪警察前で下車して北へと歩きはじめました。目的地は石神井公園
歩き出してまもなく大きな空き地が出現!!
桃井はらっぱ公園とありました。

おそらく工場の跡地ではないか・・・と想像しましたが、やはりその通り!! 戦前は零式戦闘機のエンジン製造などをしていた中島飛行機の工場で戦後、日産自動車荻窪事業所になっていたんだそうです。成る程成る程・・・このあたりは激しい空襲にあったんでしょうね。しばらく歩くと立替られたばかりと思われる荻窪病院があり、その先に大きな寺院が見えてきました。

宝珠山観泉寺とあります。説明板を読みますと、桶狭間合戦で敗死した今川義元の嫡男氏真が開いたお寺だそうです。どうりでこの辺りの町名が「今川」なんですねえ・・・ 境内に入りますと落ち葉を掃除する電機掃除機の爆音凄まじく、びっくりさせられましたが耳さえ塞いでいれば落ち着いたきれいな境内でした。

この本堂は宝暦13年(1764)年に建立された杉並区内最古の木造建築物だそうです。境内奥には今川家累代の墓地もあるそうで、このあたりが江戸時代には今川家の領地であったのでしょう。

この寺を出て更に北上。
西武新宿線上井草駅へと出てきました。最近でこそ仕事で何回か西武の黄色い電車に乗りましたが、それまでは別世界を走っているような、私の世界とは全くリンクしない存在でしたね。駅前にあった中華料理屋でチャーハンに餃子を食べましたが、このおいしかったこと!! とくに餃子は肉汁があふれでてくる皮の分厚いもので極上品でしたよ♪

線路を越えてしばらく歩くと東西に走る新青梅街道へ出てきました。少し横道にそれて「ちひろ美術館」へ・・・ 今日は中へ入りませんでしたがシックな建物でしたね。新青梅街道から、石神井公園はもうスグです。旧早稲田通りという大きな道路を横断して迷路のような住宅地を地図を片手に通り抜け、到着しました石神井公園!!

西荻にある善福寺公園や吉祥寺の井の頭公園と同じような池を中心とした公園かと想像していたのですが、えらい違いましたね。池というより沼という感じで日が蔭ってきたから余計なんでしょうが陰鬱ともいうべき気があたりを覆っておりました。
カワセミがいるらしく、(実はその飛姿らしきものを見たのですが)たくさんのバードウオッチャーがおられました。

この池端には石神井城というお城があったそうで、城主は豊島氏。太田道灌との戦いに敗れた豊島泰経は迫り来る道灌勢の中、「もはやこれまで」と白馬にまたがり、崖の上からもんどり打ってこの池に飛び込みました。美人で知られた娘の照姫もその後を追って入水したそうです。なるほど、今でもワニ騒動やら時々事件で名前が出てくる石神井公園・・・何かがありそうですなあ

ここから西武池袋線石神井公園駅に出て、東京中心部乃木坂へ向かったのですが、その話はまた次回!!