川本三郎著「いまも、君を想う」

出張先の枚方市樟葉の水嶋書房で買い求め、帰りののぞみ車中で読了しました。

いまも、君を想う

いまも、君を想う


私の一番好きな文筆家といっていい川本三郎さんが亡くされた奥さんのことを書かれた悲しくせつない本です。
実は奥さんが闘病中の昨年一度、川本さんご本人を浜田山駅でお見かけしました。通勤時の朝のことでしたが、あれは病院から戻られるところだったんですね。
疲れた厳しい表情をされていて、少し意外に思ったものですが、それから間もなく新聞で訃報に接して絶句してしまったのを覚えています。
その奥さんの命日が今日6月17日でした。
奥様も好きだった井の頭線沿線の浜田山−久我山間のアジサイも咲き出しています。


「あとがき」の後に初出を記し、その下に書かれたこの一文にも心打たれました。

『単行本化にあたり、「ツー・ストライク、ノー・ボール、それでもニッコリまけないぞ」「他愛のない会話がいま懐かしい」「静かな葬儀をするということ」を書き下ろしました。』