- 作者: 江川卓,掛布雅之
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/04/10
- メディア: 新書
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大阪で本屋に入ると、阪神タイガース関連の書籍が目につくところに置いてある訳です。そしてフト買ってしまう訳なんですな。
対談形式で甲子園の思い出や、「二人の名勝負の数」「引退の真実」「巨人-阪神戦の伝統」について語っていきます。お互い同い歳(共に1955年5月生まれ)なので、「江川」「掛布」と呼び捨てで語り合っているところも新鮮でしたよ。
対決の細かい機微まで語っていて面白過ぎます。「なぜ、そこでインハイを投げなければならなかったのか?」「なぜ、初球は見送り続けたのか?」などね・・・
一番興味深かったのは「引退の真実」ですね。我々から見ればお二人共に若すぎる引退に思えたのですが江川さんの理由も成る程と思えるものがあり、ミスタータイガースの体も、高卒即一軍デビューでボロボロだったことがわかりました。そして引退試合の話が泣けるのです。
甲子園の最終戦が引退試合だったんだけど、球場のファンがみんな泣いてくれていた、村山監督の手が震えていたことを覚えているね。後に阪神監督となる中村勝広さんがコーチだったんだけど、終わった後に「最近は阪神の歴代の主力選手が、こんな引退試合をしたことはなかった。新しい阪神の時代を作ったな。惜しまれながら球場全員が涙する。おまえが道筋を作ったおかげで、これからは、こうやって阪神の選手が辞めていくことが出来るだろう」と言ってくれた。それを聞いた時には、こういうユニフォームの脱ぎ方で良かったんじゃないかと思ったね。
少し引用が長すぎましたが、阪神ファンの私としては何度も読み返したくなる部分で書き出してしまいました。
他にも田淵さんから「掛布はタテジマで引退しろよ」と言われていた話や、後の楽天から監督のオファーがあった話、それをナゼ断ったのかも詳細に語っています。
江川さんもなかなか口が堅いですが最後に大リーグに行った可能性があることを語ってますよ。
「巨人-阪神論」次は是非、王貞治-江夏豊バージョンをつくって欲しいな♪
そして、次世代でこのような対談をしあえるライバルが登場することを願ってやみません。