- 作者: 櫻井孝昌
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/09/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まあ、一度覗いてごらん!!と壁の穴を覗き込むと、全く知らない世界が広がっていた・・・そんな感覚に襲われた一冊でした。
ガラパゴス化といえば現状の日本の状態に警鐘を鳴らす経済用語です。携帯電話など、この日本でしか使えない売れないものを開発しているうちに世界に取り残されている・・・そういう状況を打破しなければ、日本の未来はない。というような論調ですよね。
しかし、この本ではどんどんガラパゴス化し、日本的なものに特化していくことが、世界に近づいていける切り札になるのだと、現にアニメがそうだ。子供向けという既成概念に囚われない製作態度で作り続けられたアニメは世界中の若者を虜にしているのだと説いていくのでした。だいだい、子供の頃に「どらえもん」や「クレヨンしんちゃん」「キャプテン翼」を見ていない子供は世界中に少ないですよね。少し大きくなって自国のアニメはキッズ向しかない状況では更に日本に目がいくというワケですな。
我々日本人が、この現象を一部のアニメ好きの外国人と思ってしまっているのが大きな間違いであり、そのシェアは巨大であることを著者は力説するのでした。
そして、時々は街中で出会って驚くロリータファッションが日本発のファッションとなってじわじわと加速度を帯びて海外に広まっていく様に接して、この冒頭に書いた「壁の穴を覗くと別世界」の感じで驚愕させられたのでした。
今やパリコレに出品するデザイナーも原宿にやってくるという独創的ファッションにあふれる日本。
「カワイイ」という言葉が世界で認知しはじめられている日本。
『制服もパンクもロリータも、それらをひと言「カワイイ」で料理できる民族は日本人以外もはちょっと想像つかない。実際、世界もそう思っているし、敬意を払ってくれている。』
しかし、そんな若者達が熱狂する場所に日本人も日本企業も全く参戦出来ていないのが現状とのことです。積極的に展開する韓国勢、そして大量に製造する中国勢、その中に埋没しているのが現状のようです。
ご一読あれ
追記:日本のトイレ・・・便座が暖かく、ウォッシュレット機能がついているトイレもガラパゴスながら、世界に認められるものでしょうね。かのマドンナに「日本の暖かいトイレが懐かしい」とつぶやかさせたのですから・・・