三田完著「鵺」

久世光彦をモデルとした演出家で作家の護摩堂充彦が陸軍少将であった父の小説を書こうとして迷い込んだ世界に引き込まれていく。モデルはあの人に違いないと想像しつつ、しかしそんな筈はないだろうと思いながら先へと読み進まずにはおられない描き方と、そう来ましたか!と云う終わり方に「お見事!」と唸り、脱帽した。
昨日は丁度、NHK久世光彦の「マイ・ラスト・ソング」を放映していて終章読了がそれと重なり、なんとも妙な気持ちになってしまい深夜なかなか寝付かれなかったのだった。


鵺