遺品整理屋は見た!

遺品整理屋は見た!

遺品整理屋は見た!

昨年読了した本の中で、衝撃的な一冊がこの「遺品整理屋は見た!」です。2時間ドラマ「家政婦は見た!」のような題ですが、その内容は重く考えさせられるものでした。
著者は大阪を根拠にして「遺品整理屋」として全国的に活動しており、依頼されれば腐敗臭ただよう部屋にも入りこみ、ゴミ屋敷も片付けるといった、恐ろしくニッチな仕事を開拓された方です。
孤独死や自殺の場面に出くわすことが多いようですが、著者は冷静沈着に作業されます。死臭を取り除くのは大変らしく、現場に行くと近隣住民からも「早くなんとかしてくれ!!」と怒鳴られることも度々ですが、こういう職業が成立するように自殺を含めた孤独死は急増しているのが現実です。
著者によると55歳から65歳の孤独死が特に多いそうです。70以上になれば周囲も気にするのですが、老人未満の年齢が見落とされがちとのこと・・・。
「フリーター」など今思えば浮かれた言葉が流行しだした頃はよかったのですが、いまやフリーターや派遣社員が「ワーキング・プア」と呼ばれて「ニート」と共に社会問題化しており、近いうちに中年の孤独死が大きな社会問題としてもちあがってきそうな予感がします。