アイシティに「蒼き狼」を観に行ってきました。
モンゴルの英雄を日本人が日本語で演じるという、ひと昔前の大映シネマスコープ大作「釈迦」で勝新太郎がお釈迦様を日本語で演じたような時代錯誤を感じましたが、まあ考えればハリウッドなどほとんど英語でやる訳だし、まあいいかとその事は気にしないように鑑賞しました。
マキノ正弘の弟子澤井信一郎がメガホンをとり、丸山昇一の脚本、前田米造のカメラとくれば安心して観ていられます。ただ、音楽がよくない。合戦シーンの勇壮な音楽がどうも「バックドラフト」の旋律に似ているんだなあ・・・。
それと、合戦シーンでやたらと空撮が入るのもいかがなものか・・・あの駄作、角川春樹先生監督作品「天と地と」を思いおこさせます。そうそう、角川さんも製作のお一人なんですよね。
パンフレットを買い求め読んでみるとチンギス・ハーン即位式はオレが監督し、「その時デジャヴを感じた!! そう、オレはここにいた!!」とのたまっておられました。
そうか、澤井さんの後ろで、角川春樹先生がメガホンを持ってたんですねえ・・・。合戦シーンも出来がもうひとつなのもそのせいでしょうか? 画面がブレすぎて迫力が消えてしまっていました。あのオーソン・ウェルズ監督作品「フォルフスタッフ」のガシッと鎧の音がぶつかるような合戦シーンがみたかった。
あと、反町と菊川では荷が重過ぎたのではないでしょうか。反町さんは力演でしたが・・・菊川玲の無表情には監督も悩んだのではないでしょうか。
反町チンギス・ハーンの母役若村麻由美が素晴らしく、完全に主役を食っていましたよ。助演女優賞ものではないでしょうか。
と、まあいろいろ減点はあるものの、それなりに観られたことも確かです。

☆☆★