国会図書館の底力  天保国絵図を見る

ひょんな事から「天保郷帳」という本の存在を知りました。幕府がそれぞれの郷村毎の石高を調べ上げた85冊からなる報告書ですが、現在はその郷村名がどんな書籍より詳細なことから重宝されているようです。
滝澤主税という方がその天保郷帳に記載されている63,795村全ての村名と石高、現在の市町村との関係を調べ上げて「地名研究必携」という著書を書かれています。405ページもあり、値段も36,000円と高くてとても手の出るものではありませんが、一度見てみたいものです。

そこに記載されている村の中には既に存在すら忘れられているものも少なくないようです。そこに拍車をかけるように、地方では過疎化や、このところの平成の大合併で字や小字が消滅していっています。また都市部でも町名変更によって由緒のある町名が失われつつありますよね。
私が以前勤めていたところでも、大阪市北区河内町(かわちまち)が東天満(ひがしてんま)1丁目に変更になったことがありました。昔、河内出身の人が住んでいたことからついた町名が、ただ、天満宮の東側にあるという味気ないものになってしまいました。

天保郷帳」を検索していると、国会図書館の「天保国絵図」が目にとまりました。
国会図書館は兼ねてよりデジタル化に力を入れており、目を見張るものが少なくないのですが、これは本当に凄い!!




http://jpimg.digital.archives.go.jp/kouseisai/category/ezu/kuniezu_tenpo.html




このHPを開くと、昔の国名がズラリと並んでいます。


この中から信濃国を選ぶと・・・(JPEG2000版とJPEG版で開けるのですが、今回はJPEG版で開きました。)



このように、信濃国とは書いてますが、現在の長野県が表示されます。画面中央の青い部分が諏訪湖で、そこから下に流れているのが天竜川ですね。
ここからどんどん拡大出来るのがすごい処なのですが、3月17日に出かけた安曇野市三郷温を見てみましょうか。


12.5%まで拡大した松本近辺です。右手の白い四角が松本城です。


逆さまでわかりにくいかもしれませんが、長尾村が見えるでしょうか? ここが土曜日にウロウロと探索した現安曇野市三郷温の長尾地区です♪
現在は下の地図のあたりですね。




国会図書館のHPはまだまだ素晴らしいお宝データを公開しています。みなさんも是非一度、おたずねください!!