失踪日記

失踪日記

今日はマンガを一冊紹介します。といっても、もう2年も前の出版だから結構古いね。(苦笑)
しかし、今でも座右の書のひとつなのです。
吾妻ひでおといえば、立派な大家のひとりです。「酔っ払いダンディ」やヒット作も数あるマンガ家なのにこんなコトになっていたとはねえ・・・
腰帯をそのまま書き写すと、
「突然の失踪から自殺未遂・路上生活・肉体労働・アルコール中毒・強制入院まで。波乱万丈の日々を綴った、今だから笑える赤裸々なノンフィクション!(後略)」
なにしろ、最初のコマが「このマンガは人生をポジティブに見つめ、なるべくリアリズムを排除して描いています」と書き、主人公の本人がふきだしで「リアルだと描くの辛いし暗くなるからね」とのたまわっています。
オレンジ色の表紙に描かれている絵は住宅地横の林で寒さに寝ていて目がさめたら一面の雪景色だった、というシーンですね。スゴい!!
寒い寒いといってボロ毛布にくるまっているシーンから一面の雪景色に急転するつなぎ方はノーベル賞作家川端康成の名作「雪国」の有名な冒頭部分に匹敵します。 
不審者に間違われて(というか不審者なんですが)警察に連行されたり、日雇い労働者からガス会社の下請け会社に入ったり、なぜかガス会社の社内報にマンガを投稿して採用されたり、とまあ、このマンガを読んでいると人生どうにかなるわなあ、とガスの弱火のような元気をもらえるのですよ。

疲れたなあ、とか気分が落ち込んでいるなあ、という時にはゼヒこの本をご一読あれ♪