さあ、明日から出社、といってもあさっては土曜で休みますがね。(笑)
なんて思いながら掃除をしていると裏の林でツクツクボウシが鳴き出しました。ツクツクボウシってイヤですよね。アレが鳴き出すとホントに夏休みがもう終わるのか・・・と子供の頃憂鬱になった事を思い出します。また、鳴き方が性急でしょ。だんだんスピードアップしていって最後には自分でも鳴けなくなって「ツクツクツツクク・・・」なんて終わる訳です。





ツクツクボウシを漢字で法師蝉とも書きます。たしか、吉村昭の短編集にもその名が書名になったものがありましたよ。やはり昔の人はあの「ツクツクボーシ」がお経にでも聞こえたのでしょうか? ただ、ボーシが法師になっただけですかね。

大阪にいる時にはまだツクツクを聞きませんでした。ただ、朝早くからクマ蝉の大合唱で窓を開けていられないぐらいです。関西の人間にとってはアレがないと枝豆がないビールのようで夏が来た気がしません。クマ蝉は静岡あたりではもう普通に鳴いているようですから箱根を超えて東京に侵出してくるのも時間の問題ではないでしょうか。温暖化は意外なものを呼んできそうですな。古館さんがむずかしい顔をして「ついに東京でも鳴き始めました!!」なんて報道しそうです。(苦笑)
昔、私は昆虫少年でして、東京のドラマで死んだアブラゼミを樹に留めて、「ミーンミーン」と鳴かせているシーンがよくでてきて憤慨したものです。
「あれはアブラゼミだ!! ミンミンなんて鳴かないよ。そのミンミンゼミは山にいるんだ!!」ってね。私にとってミンミンゼミは山奥のセミでした。山奥でしか見たり聴いたりしたことがありませんでした。
ですから、東京に住むようになってミンミンゼミが普通に鳴いているのには驚きを超えて感動さえ覚えたものです。「そうか、ドラマは間違えていなかった」んだと・・・

閑話休題。午後、東京に引越してから初めて出掛けることにしました。近場はウロウロ歩いているし、所用のついでに品川あたりもウロつきましたが、今回行こうとしているのは花のお江戸の六本木ときた!!
新国立美術館に「日展100年」を観にいこうという訳です。
西荻窪より総武線で代々木まで出て大江戸線に乗り換えて六本木で下車しました。下車したところが、そのまま東京ミッドタウンに入ってしまうではないか・・・というコトでまずはサントリー美術館に立ち寄ることに変更し3Fへとあがっていきました。
さすがハイソな街ですな。シックなブラウン調に和を感じさせるデザインで統一されています。











美術館のあるフロアのフローリングはバンブー柄でしたね。各所にあるベンチも全て木調ものでした。吹き抜けには1階から青竹が植えてあり涼しさを演出しています。セントレアでも同様の意匠がなされていましたが、枯れかけていました。これからも大変でしょう。吹き抜け上部の壁面には和紙を通した様な明かりがデザインされています。(下左の写真です。投影かと思いましたが、その壁の中に照明が隠されているようでした。)

サントリー美術館はその3階にありました。







今回の展示は「水と生きる」というお題です。その美術展名を水を思わすガラス戸に描き、美術館の側面は縦格子となっていました。「和」ではありますがこのパターンはやや食傷気味ですね。

さて、美術展ですが・・・よかったですねえ、この猛暑にピッタリのお題で気持がよかったです。
絵画から蒔絵やガラス切子といった工芸品、能装束や紅型に藍の蒲団布地とはばひろく展示しており見ごたえがありました。
なかでも素晴らしかったのは円山応挙の「青楓瀑布図」です。
滝壺の黒い石のにくだける飛沫に、その上で涼をよぶ青い楓の一枝、その向こうをゴウと音をだしてくだる滝・・・思わずうなる程に素晴らしいものでした。天明7年(1789)の作ですが重要文化財でもなんでもないのが不思議なくらい素晴らしいものでした。
購入した図録を写しても、その感じはわかってもらえないでしょうが・・・







このサントリー美術館のWEBを見てもらった方がいいでしょうね。


http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/07vol02mizu/index.html#tenjigae

(HPを開くと「青楓瀑布図」が中央にあります。クリックすると拡大します。)



さて、その後、新国立美術館へと回っていくのですが、その話はまた明日以降に・・・