エリーザベト・ニーチェ―ニーチェをナチに売り渡した女
・作者:ベン・マッキンタイアー Ben Macintyre、藤川芳朗〈訳〉
・出版社/メーカー:白水社
・発売日:1994/12
・メディア:単行本


昨日のタイ国境地帯の中国村を記述していてこの本を思い出しました。
何度かの引越しの際の書籍大量処分の中からも生き残っております。「注」をのぞいて316ページの大冊、はっきり言って読み通していないんですがね。
白水社が出した硬い硬い本ですが取り上げられている内容はメチャクチャ面白い!! と言うか、このニーチェの妹である「エリーザベト・ニーチェ」がある意味すごい奴なんですなあ・・・

腰帯にこう書いてあります。

『哲学者の妹の驚くべき生涯 南米のジャングルに純粋アーリア人の国を建設し、兄ニーチェの著作を改竄して、ナチの思想的バックボーンを打ち立てた女性の確信に迫る伝記』
まさにとんでもない女性であり、現在のドイツにとっては触れられたくない一面といえます。

なぜ、タイ国境の中国村の記事で、この本を思い出したかといえば、パラグアイの奥地に作られたアーリア人の村は現存しており、この本では、その村を訪問しているのです。
近親結婚を繰返した結果、病弱者の多くなった村そのものが、皮肉にも彼女が、また彼女が信奉した思想そのものが間違っていたことを明白に物語る証拠となっているのでした。