映画や美術館なんてものは、行きだすと続いて行くもんなんですよねえ。
チラシやポスターを見て、「あ、これ行こ!!」となる訳ですよ。東京はそのサイクルというかスピ−ドが日本一速い場所な訳で・・・一旦まわりだしたら毎週のように出掛ける、散財する、という事態に陥る訳ですな。

という訳で、先週の谷中散歩時に新宿歴史博物館に立ち寄った際に京王芦花公園世田谷文学館で「永井荷風」展をやていることを知って出掛けたという次第です。


http://setabun.jp/exhibition/kafu/

このポスターの写真はホンマの荷風さんなんでしょうかね・・・。
電車で写真を撮られそうになってソフト帽で顔を隠したものの、どうなっているかな?と少し覗いたところをパチリとやられた様子ですが・・・
永井荷風は東京散策の祖とも言うべき作家で、その散歩は「日和下駄」等に記されています。我が「散歩堂」としましてもその点、重要視している作家であります。



さてさて、
今朝は4時に目覚ましかけて、かすかに入るラジオ大阪の今日が最終回という「まもなく夜明け 米朝事務所です」を聴こうとしたのですが、始まる前に寝てしまい、今度は6時半からのニッポン放送米朝よもやま噺」を聴こうと起きようとし・・・と寝不足疲れ気味のまま午前中を過ごしてしまいました。

「まもなく夜明け 米朝事務所です」は上方落語系のブロクとしては最高峰と思われる「高岳堂ブログ」で知りまして、帰阪時に聴いてみましたところ・・・誰がこんなハイテンションな会話を4時から聴くねん!!という感じで面白く、東京で周波数を合わせたところ、なんとかラジオ大阪がはいり先週も視聴を試み、睡魔にまけたのでした。


(右が南光の弟子桂ここごろ、左が枝雀の弟子紅雀です。)




家の近くの蕎麦屋で「鳥せいろ」をたぐってから、折角だからと、井の頭公園まで歩きました。


少し肌寒いこともあり宴会の方々も今ひとつ盛り上がっていない感じはしましたが、桜は見事なもんでした。京王井の頭公園駅へ向かうために住宅街に出ましたが、そこにも素晴らしいしだれ桜が・・・

明大前まで出て本線で芦花公園駅まで各駅停車で5駅だったか・・・


駅を出て南側へだらだら下っていくと、あちこちに満開の桜が咲いていました。そのむこうに見えてきた大層なお屋敷の一角に世田谷区立文学館はありました♪

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左上が文学館の外観で、右上は文学館をなかば内包するかたちのお屋敷・・・ 右下は館内から見た庭のサクラです。
左下が「永井荷風展」の1コーナー・・・実際にタタミにあがって生活を追体験しよう!! って誰がするねん!!

永井荷風展」では有名な荷風の日記「断腸亭日乗」がたくさん並んでおり、それぞれが読んで欲しいページで開かれて、その周りに関連に写真や資料がおかれていまして興味深かったですね。なかでも大量の株券には目を見張りました。(目目)
荷風さんの親父さんは官僚から事業家になった人で、相当のお金持ちだったようですね。そうすると、荷風散人永井壮吉は、漱石の「それから」や「門」に出てくる「高等遊民」だったという事になります。
財産を受け継ぎ、株の売買でそこそこの才能を発揮していたようですし、文学者として名をあげたんだから、「遊民」というのは少しばかり違うかもしれませんが・・・まあ、出だしはそんなもんだったのでしょうね。

それにしても・・・私娼窟ともいえる「玉の井」に足が向くなんて性癖は、偉大なる親父に対する抵抗感のねじまがった発露だったのでしょうか?



今日は開館記念日とかで入館料は無料でした♪
ただ、館長の菅野昭正氏と作家の出口裕弘氏の対談をのどいたら1,000円とられました。「記念対談 なぜ今荷風が新しいのか」というテーマでしたが、全く議論はかみ合わず、ぐたぐたの内容でしたな。だって、出口っていかにも文士風のおじいさんは「荷風なんか新しくありませんよ」って言ってるんだものなあ・・・
そういえば展示でも日記「断腸亭日乗」を今風にいえばブログだ、なんて大きく書いてありました。(苦笑)

このあと、芦花公園へ足をのばしましたが、そのあたりはまた明日にでも・・・