武蔵野散策 東小金井から野川へ

三連休の初日の土曜日は気持ちのよい晴天となりました。

夏の終わりにNHKで放映されたプロフェッショナル仕事の流儀宮崎駿スペシャルを遅まきながら今頃見まして少なからず感銘を受けました。詳細は後日に譲るとして2年に及ぶ取材の間に季節は移り変わっていくのですが、スタジオや2分程度離れている宮崎さんのアトリエの窓からみえる木々の美しさにも惹かれたのです。陽光が光り輝いていても、風が吹いていても木々がないと家の中では感じられませんからね。そこで、スタジオジブリがあるという東小金井の光を感じに下車した次第です。


いやあ、駅前からして空が広いですね。梶野町を北に向かって歩き出しました。至るところに畑があります。



樹木も多く、こんな処に住むのも悪くないなあ〜と思いながら散策しておりました。町の真ん中にある市杵島神社という社に行ってみましたが、これが鎮守の森は見えているのに、入口がわからず相当グルグルと廻ることになってしまいました。


江戸中期にこのあたりに人が住みだして祭祀した神社とのこと・・・ かわいく好感の持てる小さな神社でした。
さて、今までは東小金井駅の北側を散策していましたが、少し西方向に進んでからJR中央線を渡って南の「はけの道」を目指します。

今回は「散歩の達人」の別冊「50歳からの東京ウォーキング」に掲載されていた小金井市立はけの森美術館、その裏庭の国分寺崖線を見ることも散歩の重要な目的だったのです。
中央線の北側にくらべて南側は住宅が立て込んでいて車に注意しながら地図を見い見い歩き、車通りの多い道を「ここかっ」と右折すると急に景色が変わりました。

急な下り坂で左側が濃い緑に覆われていました。この左の森こそが目的地の「はけの森美術館」だったのです。坂を少し下りたところに美術館の裏門があり、そこの説明板にこう記載されておりました。
「この緑地は大岡昇平の名作『武蔵野夫人』(昭和25年)の部隊になった場所で、小説に描かれた当時の情景を今も変わりなく伝えています。国分寺崖線と言う、武蔵野段丘から沖積層低地へ移る斜面地で『ハケ』と呼ばれるがけ下の砂礫層からは豊かな地下水が湧き出ています。(後略)」

成る程成る程・・・坂を降り切ったところに「はけの道」の看板があり、そこを左折してスグに目的の美術館に到着♪


■はけの森美術館
http://www.city.koganei.lg.jp/guide/hakenomori/announcement/hakenomorimuseum.htm




鬱蒼とした森に覆われた美術館です。もとは洋画家中村研一氏の邸宅の一角に作られた個人美術館だったようで、本日は洋画家田村一男の特別展が行われていて、中村さんの展示物は陶磁器や軽いデッサン、それに自画像だけでした。(しかし、その自画像はなかなかよい雰囲気の絵!!)なんだ、これだけかと思いましたが通常は特別展のかわりに中村研一さんの絵画が展示されているようです。

さて、その田村一男氏の絵・・・私は気に入りましたね。ほぼ単色の中の雪景色など今の私には身に沁みてくるものがありました。一度、次のような絵を描いてみたいと少し前から思っていました・・・


灰色のどんよりと曇った空の下、灰色のコンクリートの用水路から灰色の水が灰色の海に流れ込む・・・


なんとも暗いイメージですねえ・・・我ながら笑ってしまいますが、雪の立山を描いた一枚がそのイメージによく似ていたので驚きました!!
灰色の雪の壁の中を進む道路、その先はT字路灰色の雪の壁が立ちはだかっています。唯一の色彩はわずかに見えている道路の黄色い車線のみ・・・といったものです。
面白いなあ・・・と鑑賞していて驚きました!! なんと、これらの絵は松本市美術館の田村一男記念室から来ていたのでしす!! 灯台元暗しとはこの事ですねえ・・・2年半も松本に暮らしながら松本市美術館には行っていなかったのです。
(上のHPで田村一男氏の絵画を見ることが出来ますよ!!)

さて、肝心の庭を拝見しようとすると・・・締まっていて入れません!! 残念・・・
しかしながら、その庭にある国分寺崖線のはけから湧き出した泉の水が細い水路となって道を横断し小さな流れとなっており、ここが「はけの小経」と呼ばれている場所でした。

短いはけの小経を抜けて、しばらく歩くと土の小道があり、恐る恐るそこを入っていくと・・・急に視界が広がり、野川へとたどり着きました。



たくさんの人が夕暮れせまる川辺の公園で楽しんでいました。キャンプをしている一群もいましたねえ・・・
西武多摩川線を渡ってから、線路沿いに北上し、新小金井駅で乗車して武蔵境に向かいました。
最後の野川から新小金井駅までがしんどかったなあ・・・

さて、その後は立川へ出て「崖のうえのポニョ」を鑑賞したのですが・・・それはまた後日♪


赤い■が「はけの森美術館」です。