佐々木譲「制服捜査」

長岡出張時に持参した本にうっかりはまってしまいました・・・。


制服捜査 (新潮文庫)

制服捜査 (新潮文庫)

いやあ、面白かったですよ。家の近くの本屋では今週の文庫売上NO1に輝いておりました。
佐々木譲の作品は昔から気になってはいたのですが、読みきったのは恥ずかしながら今回が初めてでした。
この制服捜査は作者が移り住んでいる北海道が舞台です。

全国的にニュースでも取り上げられた北海道警の不祥事・・・拳銃摘発にからむ不正事件です。道警はそれに懲りて、道警人事を刷新し、不正や癒着が起こらないように一箇所にながく勤務している警察官を大量に異動させたのでした。そこで、知識のない畑違いのモノ達ばかりで捜査するというギクシャクとした事態に陥っているようなのですが、この「制服捜査」の主人公川久保篤巡査部長も長年にわたり札幌で刑事だったのが、移動で北海道警察本部釧路方面広尾警察署志茂別町駐在所に赴任してきたのでした。

一見、のんびりとして事件などおこりそうにないこの町は、一皮めくると荒廃していたのでした・・・

本書は「逸脱」「遺恨」「割れガラス」「感知器」「仮装祭」という5編の短編からなっています。それぞれは独立した短編ながら、最後の夏祭りでの少女失踪事件へとつながっていくのでした。

読み応えがありましたね。短編は決して鋭利とは思えないナイフで寸断されたような終わり方をしているのも特徴といえますね。
是非、一読ください。

そうそう、帯に記載されていましたが、この川久保巡査部長シリーズの続編「暴雪圏」が今月には刊行されるようです。これも読まなくては!!!