加藤陽子著「戦争の日本近現代史」


戦争の日本近現代史 (講談社現代新書)

戦争の日本近現代史 (講談社現代新書)

少し時間がかかりましたが、面白く読了しました。(一度、横浜で紛失したりしたしね・・・)
この本を読んで戦争に対する考え方、とらえ方が少し変わってきました。
戦争に至るには指導者はもちろん、民衆もがそれまでにはなかった認識の変化を体験し、その戦争を正当なものと捉える土壌が育まれていくということです、しかも、その変化は急激に、一瞬に起こりうるということを征韓論自由民権運動から日清・日露の両戦争、そして太平洋戦争に至るまでの各所で検証していくのです。
また、少しずつでも精読してみたい本です。

えっ!!と驚くようなこともサラリと書かれていました。
たとえば、太平洋戦争に至る最大のキッカケになったアメリカによる「在米日本資産凍結」「対日石油禁輸」は日本の「南部仏印進駐」「関東軍特種演習」に対する措置だと当然思うわけですが、そうではなくて、むしろソ連に対するアメリカの援護ととらえるんですね。ソ連が枢軸側(日独伊)に入られては困るアメリカの戦略だというのです。

いやあ、まいりました。