漆サミット2011



明治大学アカデミーコモンで昨日金曜から開催されている「漆サミット2011」の討論会を聴きに行ってきました。
今日のテーマは「漆の植林」正式タイトルは「健全なウルシの森づくりに向けて」でした。


昨年、浄法寺を訪問した際にも植林された漆林を見学してきましたが、まだ細い木々でした。漆は風に弱く、強風で簡単に枝や葉が落ちるそうです。また、浄法寺の主産業が葉たばこ栽培で、漆の葉が落ちてくると、たばこの葉が焼けるのでイヤがられ、随分と伐採されたとのこと。まさに前途多難な感じでしたが、植林は浄法寺だけでなく、茨城県大子町や栃木県などの各所で行われているそうです。


この写真は昨年秋に浄法寺を訪問した際のもの。植林というには小さい規模の畑の横に植えられた漆林です。

一番の問題は後継者、これは漆掻き職人だけでなく、その道具を造る人も含めて深刻なんですが、それはまた別の機会に書こうと思います。

討論会の後には横の部屋で東村山市多摩湖町の縄文遺跡下宅部遺跡や漆に関するポスター展示がなされており、大変興味深く拝見致しました。

 

遺跡では漆の製造がおこなわれており、漆製品だけでなく、漆液を入れていた土器や、漆を掻いた痕跡のあるウルシの木も出土していました。
このウルシの木は漆採取後伐採されて杭に利用されていた為に残ったもののようですが、大変珍しいものではないでしょうか!!

他にも上の写真のように杭を削った跡と一致する石器が展示されている等、誠に興味はつきなかったのです。

ポスターについては、この遺跡もものや、浄法寺以外の産地の方(最近訪問した福知山市夜久野町茨城県大子町など)もあり、これまた貴重な
資料でした。