戸田学編「六世笑福亭松鶴はなし」

六世笑福亭松鶴はなし

六世笑福亭松鶴はなし



さて、昨日出張の合間にまた一冊読了しました。「六世笑福亭松鶴はなし 戸田学編」(岩波書店
私は落語が大好きでマイiPODには落語がいっぱい入っています。江戸落語も上方(かみがた・・・大阪)落語も両方聴きます。江戸なら三遊亭円生古今亭志ん朝、先代桂三木助。上方なら桂米朝桂枝雀桂文枝笑福亭松鶴等々・・・
六代目松鶴笑福亭仁鶴鶴瓶の師匠で、戦後、消滅の危機にあった上方落語を背負って復活させた一人です。人間国宝桂米朝、三代目桂春団治桂文枝と共に四天王と言われました。松鶴は昭和61年に68歳で他界していますが、本書は生前の対談や、弟子の鶴瓶が四天王の3人や、この間亡くなられた松竹芸能の勝社長に松鶴との交遊について聴いた対談がおさめられています。ダミ声で古風な大阪弁にあふれた松鶴の落語をたくさん聴きたくなる本でした。
松鶴の十八番は「らくだ」や「天王寺詣り」ですが、その「天王寺詣り」の中で、天王寺境内での出店風景をしゃべる箇所があり、にぎり寿司の屋台の売り声が出てきます。

にぎりたて、にぎりたて・・・にぎりたて旨いの、にぎりたて旨いの・・・江戸寿司やいな、はや寿司やいな、にぎりたて、にぎりたてうまいの、にぎりたて・・・

寿司職人が威勢よく握りながらしゃべっている光景が目に浮かぶようではないですか。いま聴くことの出来ないそういった売り声が聴けるのも落語ならではではですよね。

笑福亭松鶴の落語CDはビクターから7枚出ています。脳溢血で舌がまわらなくなる前の熱演が楽しめます。
ビクター落語 上方篇 六代目笑福亭松鶴
1 高津の富・貝野村
2 天王寺詣り・棟梁の遊び
3 質屋芝居・ざこ八
4 蛸芝居・軽業・人形買い
5 貧乏花見・胴切り
6 花色木綿・苫ケ島・旅立ち酒
7 一人酒盛・重ね扇
(まあ、初めて上方落語を聴くのであれば桂米朝が無難でしょうがね。)


http://www.japo-net.or.jp/japonet/catalogue/index.html