月亭八方著「八方の楽屋のぞきめがね」


八方の楽屋のぞきめがね

八方の楽屋のぞきめがね

年末年始で3冊読了したうちの一番早く読めた一冊が、この月亭八方の「八方の楽屋のぞきめがね」という本でしたな。
もう、20年以上前から八方は大阪ローカルで「楽屋ニュース」というまったりしたコーナーを持っていて、いつもリラックスしつつ、だらけた内容にフフフと笑わされていたのでした。本の内容も全くそのていで、緊張感なくだらけて読み進めます。
ただ、ヤング・オ−・オ−で八方・きん枝文珍と共に「ザ・パンダ」を結成していた先代の林家小染におよぶところは悲しかったなあ・・・
「怒りないなぁー」というキャッチフレーズや、ニノミヤムセンのCM、と言えば思いだされる方も多いのではないでしょうか?
その独特のもっちゃりとした口調はやはり上方ならではのもので師匠の先代染丸から継承した芸風ですね。私は生では「太鼓腹」をきいただけですがホント魅了されました。
私は落語家になるならこの人の弟子になりたいなあ・・・と漠然と思っていたものです。ところが箕面でダンプに体当たりして死んでしまいはりました。
亡くなられてから色々聞いたり読んだりしたところ、えろう酒癖の悪い人やったんですわ。とことん飲んで道路でもどこでも寝てしまう。朝起きたら足が骨折してる・・・もうムチャクチャですわ。
今は弟弟子やった染二さんが染丸の名跡を見事に継いでもっちゃり感に華を添えて、弟子もぎょうさんとって上方林家を繁栄させてはります。正月の繁昌亭でも大トリで「ふぐ鍋」をやりはりましたが、素晴らしい「ふぐ鍋」でした♪

あと、笑えたエピソードとしては・・・横山やすしは飲みに行くとみんなに腕時計をはずさせて時間をわからんようにするそうなんですが、ある時はずしていなかったデレィクターは腕時計を水槽に入れられたとか、浪曲師の京山幸枝若は点滴しながら飲みにでかけたとか、紳助や洋八の師匠である島田洋之介は禁酒をいいわたされたが、サイダーの瓶にお酒を入れて持ち歩き、嫁の今喜多代も「サイダーならええやろ」と酒と知らずに容認してたとか(八方は、洋之介師匠は糖尿病だったからサイダーもアカンやろっと突っ込んでいますが)・・・まあ他愛ない話でありました。

この本はテレビでもおなじみのこの言葉で終わっています。

楽屋には愛がある。
楽屋には夢がある。
楽屋には希望がある・・・


P.S. ところで、年末年始で一番面白かった番組のひとつが八方と今田が司会した4時間を超える「2007年楽屋ニュース」でした。