柴田明夫著「水戦争」

ラサール石井の「笑いの現場」に続いて角川SSC新書を1冊読了しました。これがマジメな本でしてね。



地球上には14億立方キロメートルという途方もない量の水があるそうですが、そのほとんどが海水で、淡水は2.5%しかないのです。オマケにその淡水の7割が南極や氷河で、3割が地下水・・・利用しやすい河川や湖水は全体のわずか0.3%にすぎないそうです。

日本人は「空気と水はタダ」とながい間思ってきましたが、ミネラルウオーターを買うのは極く自然な行為になっていますよね。

このミネラルウォーターの世界は寡占化が進み、ネスレ(スイス)、ペリエ(フランス)、コカ・コーラアメリカ)、ダノン(フランス)、ペプシアメリカ)といったグロ−バル企業が支配するにいたっているとのこと・・・みんな聞いたことのある大企業ですね。
私がボルビックを飲んでいて気付いた例の「プチダノン」のダノンも入っています。



■ミネラルウォーター第2弾 「VOLVIC」
http://d.hatena.ne.jp/sampodow/20070301


世界では上下水道も民営化が進み、ここでも大企業の寡占化が進んでいるそうなんですね。
世界中に小泉純一郎みたいな人がいたんでしょうか? 日本でも一部の自治体で民営化が進んでいるらしいのですが、貧困層には大問題で、お金を払わないと即、断水してしまう訳ですから実際に南アフリカでは断水されて汚い河川の水を口にした為に、史上最悪のコレラ大発生となってしまい、数千人もが感染し、数百人の方が亡くなられたといいます。

この本はむしろ、これからのBRICS各国を中心とした経済成長による水不足の顕著化と、農業等にかかる水を、その農作物輸入国が使った計算にする「仮想水(バーチャルウォーター)」の考え方について、食料輸入国である日本に対して警鐘を鳴らしています。
特に「仮想水」ですね。
穀物は1キロ生産するのに約1,000リットル、牛肉だと1キロで、なんと15.98トン!! 餌ですね。牧草の水が膨大なんです。
これらを換算されると日本を含む東アジアはとてつもない水量を世界各国から輸入していることになってしまうのです。
穀物の場合、アメリカ・カナダ・ブラジル・アルゼンチンと中国が主な輸出国であり、その輸入国は日本・韓国・台湾そして中国の東アジアなんですね。
また、と言うことはですね。異常気象による水不足なんかが南北のアメリカ大陸で発生した途端に日本なんかは大変なことになってしまうんですねえ・・・


う〜ん、困ったもんだなあ・・・全く日本の農政は無能じゃなあ・・・なんて思いながら歩いていると住宅街に桜の花が咲いていました。
1本だけですが、ほぼ満開ですよ。


今日はコートを着ていない人も目立ちました。もうすぐ春ですね♪