泉麻人著「青春の東京地図」


このところ出張等で好調に読了していっていますが、その中の一冊、泉麻人著「青春の東京地図」をご紹介しましょう。

青春の東京地図 (ちくま文庫)

青春の東京地図 (ちくま文庫)

まず表紙がいいですよね。南伸坊描く泉麻人がかわいい!!その人物の下には高田馬場から学習院大学にかけての地図が見えています。
この本は泉麻人氏が生まれ育った新宿区中落合での幼児の頃の思い出の地図(手書き)から自転車で少し遠出をするようになった少年時代の地図(同じく手書き)、そして青春時代の新宿や渋谷の地図(これまた手書きあり)と続く、いわば氏の地図による「失われたときをもとめて」なんですな♪

幼児の頃の地図は本当にせまく、家の前の道から大通り、またその反対側の長屋がある狭い道の一体だけ。この木にカミキリがいたとか、この店の前で犬が死んでいたとかが書き込まれています。

少年時代には自転車で遠出して昆虫採集をした森や、近所の本屋、ここから池袋のビル群が遠望出来たという地点等もあり、更に地図がどんどん拡大していく予感が漂います。

青年になってからは、デートの思い出から、みんなと離れて眺めた電車の思い出、レコード屋やVAN等のファッションからエロティックな思い出までひろがって、幼児や少年時代にくらべると収拾がつかない感じですね。

後半には雑誌「東京人」に連載していた釣堀を訪ねる連載や、60−70年代の古い女性雑誌の付録の地図から昔を振り返っています。これも地図を眺めているだけで面白いんですよね。

結構、おすすめの文庫本ですよ♪


P.S. この泉麻人さんも浜田山が最寄駅なんだそうです!! そういえば以前に1回、お目にかかったことがありますねえ・・・
川本三郎さんといい、自分が愛読している著者が身近におられるというのは・・・なんだかうれしいな♪