ルノアール+ルノアール

連休中に渋谷は東急BUNKAMURAで開催されていました「ルノアール+ルノアール展」に行ってきました。



http://www.ntv.co.jp/renoir/


父オーギュスト・ルノアールは言わずとしれた印象派の画家ですよね。その次男のジャン・ルノアールは「ピクニック」「ゲームの規則」「大いなる幻影」等を撮影したフランスを代表する映画監督です。特に「大いなる幻影」はジャン・ギャバンが主演ということもあり、日本でも大ヒットした映画です。
第一大戦後、ドイツ軍に捕らえられたフランス軍将校が国境越えをするという内容。
ドイツ軍将校も友情からフランス人将校の脱出を黙認する・・・その際にドイツ将校(演ずるは名優にして大監督エリッヒ・フォン・シュトロハイム!! )が佇む窓の外をハラハラと降る雪が後年のクロサワ「影武者」での信玄倒るの報に接した際の上杉謙信が眺める春日山城に降る雪につながっているような気がしています。オマージュとかではなく、クロサワの記憶の中からこの春日山城のシーンが紡ぎ出されたように感じている訳ですな。

まあ、それはさておき、この展覧会は父オーギュストの絵画と、息子ジャンの映画の断片(スクリーンに数分の映像が写されます)が同時に展示されているという、今までにない画期的なものでした!!
ジャンの映像については断片でしかなく、そこからは何ものも推し量ることは出来ないという厳しい意見もありますが、試みとしては大変面白いものではないでしょうか? 冒頭の写真は「ピクニック」の能天気なお嬢さんのブランコシーンですが、このシーンは素晴らしいことといったらありません。あと、同じ「ピクニック」でのボートのシーンとか美しい盛りのイングリット・バーグマンの舞踏会のシーンとか、私は見入ってしまいました。
日本映画でも武者絵と時代物の映画・・・クロサワや溝口の映画を展示したり、小津安二郎の映画と、そこに出てくる食器や美術品の展示なんかも面白いんじゃないでしょうか?
東京での展示は終了しましたが、まもなく京都国立近代美術館でも開催されます。
さあ、関西の方々よ、行くべし!!

こういう公式ガイドブックも1,000円で一般書店で販売されていますので是非一度手にとってご覧ください。私?もちろん購入致しました。