第50回 千朝落語を聴く会 

昨夜大阪に移動しまして、今日は昼から梅田へ出掛けました。
梅田の泉の広場をあがって少し行ったところにある太融寺・・・米朝一門では若手が切磋琢磨の場として青春の汗を流した寺ですね・・・へ桂千朝師の落語を聴きに行ってきました。

なかなか大きなお寺さんですよ。昭和20年の空襲で全焼し、戦後おそらく全てコンクリート製でここまで再建されたんですなあ・・・ それにしても真後ろにビルがせまってて窮屈ですよね。まあ、門前の方はラブホ街ですが・・・

会場はお寺の本坊・・・
満員の盛況で、驚いたことにテレビカメラも入っていました。受付では雀五郎さんがお手伝い、もうひとりいたのは米団治師の初弟子「いちまる」さんか?


桂 まん我  「 子 ほ め 」

桂 千 朝  「 軒 づ け 」

桂 都 丸  「 試 し 酒 」

桂 千 朝  「 景   清 」

まん我さんはもう言うことなしですよね。キッチシとした、正調というべき「子ほめ」でした。
千朝師より、CSの京都ch「京チャン落語」のTVカメラが入っている旨説明がありました。番組は11月に始まり、この春には人知れず終わるそうです。私は全く意識していません。と言ってからVサインだしての「山田見てるか!!」に場内爆笑となりました。
さくらと一郎の「昭和枯れすすき」の話しから「軒づけ」へ・・・
「鰻でお茶漬け」という繰り返し出てくるフレーズが弱めだったので、去年上野鈴本で聴いた染丸師の「軒づけ」を思い出しました。あの時は、この「鰻でお茶漬け」がほとんど客に受け入れられず染丸師も気色悪い風でした。ひょっとしたら大阪でもそういう傾向があるのでしょうかねえ…
都丸師は内幸町の時同様にかすれ声で少々心配しましたが、ニンに合った「試し酒」、たのしませてもらいました。
トリは千朝師「景清」
目が見えなくなった京の職人定次郎が清水の観音さんに願掛けをして、その満願の日に観世音菩薩様お出ましとなり、悪七兵衛(あくしちびょうえ)景清(平家の武将平景清)が我が両目をくりぬいて奉納してあったのを与えるという、なにやら今昔物語にでも出てきそうな落語です。聴き応えがありました。
満願の日に定次郎の母が「なんとか満願の日に間に合いました。」と縫った着物を着せてやりながら、「これは縞(しま)もんやでえ。帰りには見えるようになっといでや」と声を掛けるシーンがあるのですが、昔は縞のない着物は、今差別用語になっている3文字で呼んでいたんですよね。やはり、テレビやラジオでは放送しにくい大ネタのひとつといえましょう。
今日の千朝師はよかったですね。千朝師の場合、上下(かみしも)を切る際にワンテンポ置かれることがあるのです。まあ、それがアジになる噺もあるのですが、今日は2席共テンポがよく全く気になりませんでした。また行かせてもらいます!! 千朝落語を聴く会!!!