佐々木譲著「暴雪圏」

どんどん佐々木譲さんの道警物を読破していってます。

本日紹介するのは、その最新刊である「暴雪圏」です。

暴雪圏

暴雪圏

以前に紹介した「制服捜査」の川久保巡査部長が活躍する続編です。400ページを超える厚さですが、どんどん読み進めました。
帯にある惹句を紹介しましょう。

「最大瞬間風速32メートル、十勝平野が十年ぶりの超大型爆弾低気圧に覆われた日の午後、帯広近郊の小さな町・志茂別ではいくつかの悪意が蠢いていた。暴力団組長宅襲撃犯、不倫の精算を決意した人妻、冴えない人生の終着点で職場の金を持ち出すサラリーマン・・・・・。それぞれの事情を隠した逃亡者達が辿りついたペンション・グリーンルーフで、恐怖の一夜の幕が開く。全ての交通が遮断された町に、警察官は川久保巡査部長のほかいない・・・・・」

映画でいう「グランドホテル形式」の小説ですね。
1932年作のアメリカ映画「グランドホテル」はそのホテルに居合わせた人々それぞれの人生を語っていくものでした。
この小説も、その登場人物達が暴風雪の中、人生の決断に迫られつつ、グリーン・ルーフに吹き寄せられていくのです。

小説は、「制服捜査」がそうであったように唐突に終わってしまいました。十分に続編が書ける時点で川久保巡査部長の一言で幕切れとなりました。それぞれの登場人物のその後はどうなったのか・・・興味はつきません。