志賀直哉「暗夜行路」の英訳

昨夜の夕刊にエドウィン・マクレラン氏がコネティカット州ハムデンで亡くなられたとの記事がありました。
享年83歳。
「A Dark Night's Passing 」を出した人として記憶しています。志賀直哉の代表作「暗夜行路」の英訳ですね。随分と昔の話ですが出版された時に、「暗夜行路」の題名の英訳が「A Dark Night's Passing 」になるのかと感心した覚えがあります。

「暗夜行路」自体は非常に強引な、破綻だらけながらも魅力的な長編・・・いや、むしろ短編・中編の集合体ですね。
第一、前編・後編に別れながら、その内容がまるで違うのです。(主人公が時任謙作であることを除いては・・・)
前編では自らの出生の秘密について悩みつつ、思春期をむかえ、後編では妻の不倫疑惑に悩み、最終的には大山(だいせん)の夜明けを目にし、全てを受け入れるまでを描いています。


久し振りに読むかな? 頭のデフラグが必要と感じる今日この頃、若い頃に魅力された志賀直哉の「勁(つよ)さ」に再会することも自分にとって必要なことかもしれません。





暗夜行路〈前篇〉 (岩波文庫)

暗夜行路〈前篇〉 (岩波文庫)