東京国立博物館の魅力2

先月、東京国立博物館の魅力の一旦をご紹介致しましたが、実は一番の「驚き」はこれだったのでございます。

新発見にしてスグに重文指定を受けた「運慶作『大日如来坐像』」!!!




芸術新潮 2009年 01月号 [雑誌]

芸術新潮 2009年 01月号 [雑誌]

少し前の芸術新潮ではありますが、この表紙の仏像こそ、クリスティーズでの高額落札で話題になった運慶作「大日如来坐像」です。この特集は仏像発見の経緯から運慶仏が総覧出来る素晴らしい内容でありました。

この仏像はとある方が手に入れて、専門家に鑑定を依頼したところ「運慶作」という事が判明!! 確か東京国立博物館が何億円かの提示をしたのですが、それを蹴ってニューヨークのクリスティーズのオークションに出品してしまったのでした。
これがなんと12億5000万円という驚愕の価格で落札されたのです。落札したのは日本の三越百貨店でしたが、実際の購入主は宗教法人真如苑でありました。
現在、研究と補修のために東京国立博物館が預かっており、去年の6月に一般公開されていたのですが、その時には見そびれてしまいました。次はいつかなあ・・・もう展示はないのかなあ・・・と半ば諦めていたところ、この間展示されていて大変驚き、感動した次第です。
実は東京国立博物館からメールマガジンをもらっており、少し前に届いたメールマガジンの中に今回の展示の紹介があったにもかかわらず、見落としておりました。(もらう意味がない!!!)

■二体の大日如来像と運慶様(うんけいよう)の彫刻
昨年末のX線断層撮影(CT)による調査の成果をご紹介します。大日如来の胎内に納められていた五輪塔、人間の歯などのリアルな画像もご覧いただきます。
本館12室 7月22日(水)〜10月12日(月・祝)
重文 大日如来坐像 平安〜鎌倉時代・12c 東京・真如苑
重文 大日如来坐像 平安〜鎌倉時代・12c 栃木・光得寺蔵 など

運慶の仏像彫刻の中でも一番素晴らしいといってもいいモノではないでしょうか。引き締まり貴賓のある体躯に自信に満ちたような凛々しい顔容・・・実際には60センチ台の小さな仏像ですが、まさしく「一見の価値あり」とはこういう仏像こそ言うのでしょう。メルマガに記載されているように10月12日まで、もうひとつの運慶作大日如来坐像と共に展示されております。
私ももう一度行くつもりですが、皆様お見逃しなきように!!!


■産経ニュース 初回公開時の記事です。2008/06/10
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080610/acd0806101533007-n1.htm