文楽お篭り

文楽お篭りったて、今日は短い演目なんで11時から17時半までの6時間程度なんで楽ちんなもんである。
さるえ堂(一昨年の仮名手本忠臣蔵から)とちゃぶこさん(去年の文楽鑑賞教室ではまる)との3人組で玉助さんに頼んでいたチケットを受け取り、国立劇場小劇場へ乗り込んだ。
「団子売り」から幕開き。その後の鑑賞教室、今日はAプロで希太夫・寛太郎・玉誉のトリオでなかなか良かった。初めての観客から感心した声がしきりに起きていたほどだ。
「菅原伝授手習鑑」は寺入りが小住太夫・寛太郎、寺子屋前が千歳太夫・富助、後睦太夫・清友、なんといっても千歳太夫が迫力ありはまっていて全段彼で聴きたかったなあ。千歳さんははまる時とはずれる時の差が大きいね。

次の部は「鎌倉三代記」と「伊達娘恋緋鹿子」
下手側2列目で人形遣いの紋までよく見える席で、人形の美しさを間近に味わった。目の前で玉助さん遣う三浦之助がミエ切るからねえ。ただ「高綱物語の段」の織太夫の語りと清介の激しい撥捌きに圧倒され何度となく床に釘付けとなったのは確か。気分としては床下に飛んでいきたかった感じですね。
合間の休憩で3階へコーヒーを飲みにあがると、なんと大阪のMさんがいて驚いた。Mさんは、2月の新宿駅階段落ちの時にいた方だよ。「鎌倉三代記」は大阪ではやらないので日帰りで来たんだそう。その後はより慎重に階段を降りたなw
続いて「伊達娘恋緋鹿子」は先程の織太夫での高ぶりを津駒太夫の落ち着いた語りが鎮めてくれた。「八百屋内の段」も10年振りの公演でせめてこれがないと「伊達娘恋緋鹿子」はなんのこっちゃわかんないのです。
本当の八百屋お七は恋人の吉三に会いたさに火をつけて木戸を明けさせるんだけれど、この「伊達娘」は寺小姓の吉三郎が大事な刀を盗まれてそれが今夜中に見つからなければ切腹せねばならないのを救うため、その刀を奪い返して吉三郎の元に届けるためには町々の木戸を開けねばならないので火の見櫓に登って半鐘を打つのだ。しかもその刀を持ってるのが八百屋の父が結婚してもらわなければ困ると縁談を進める武兵衛というのも、せめてこの段から見ないとじゃないとわからないのだ。

終演後、仲間達と喫茶店に立ち寄り文楽の余韻に浸った。早く終わるのも悪くないね。