東宝 1941年
監督:成瀬巳喜男
出演:高峰秀子藤原釜足


微熱を感じつつ、以前録画してあった成瀬巳喜男の「秀子の車掌さん」を見ました。
もはや、昭和30−40年代をセピア色のフィルム越しに眺めだしたご時世では戦中の映画なんて時代錯誤でしょうか?・・・でも「秀子の車掌さん」よかったですよ。

甲州のオンボロバスの運転手さんが藤原釜足、その車掌さんが高峰秀子です。
写真はライバル会社の綺麗なバスが抜きにかかろうとしていて、秀子が振り返っているところです。その綺麗なバスにはたくさんのお客さんが乗車しているようですが、このオンボロバスには荷物の多いオッサンやぎょうさんの子供を連れた奥さんなんかが「空いていてよろしい」と乗ってくるのです。
秀子の足元を見ればズックに穴が・・・ 秀子は運転手さんに実家近くで停めてもらって履き替えに行きますが、戻ってきたのは下駄履きでした。(笑)
そんなある日、起死回生を狙って二人はバスでの観光案内を思いつき、近くの温泉に宿泊している作家に頼みに行きます。

1941年といいますから、その12月には真珠湾攻撃を皮切りに太平洋戦争に突入する年ですよね。そんな戦争の影すらもなく、甲州の田舎にはオンボロバスが走り続けるのでした。

成瀬巳喜男の優しい映像にはホント癒されます。 バストショットと「引き」の映像のつながりが美しい!!