中村雅之著「古典芸能てんこ盛り」

気分を変えてこのところ読んだ本を一冊ご紹介♪

古典芸能てんこ盛り

古典芸能てんこ盛り

著書の中村雅之氏は横浜能楽堂の副館長で古典芸能のプロデュースをされている方です。安西水丸氏のイラストもたのしい軽い古典芸能に関するエッセイ集です。
面白かった話題としては、古典芸能愛好者は大阪転勤を喜ぶという話や落語は古典芸能ではなく大衆芸能に分類されていること、東京では狂言を観る人は落語に行かないが、大阪では狂言に行く人は落語に行くという話などですね。(最後の話は東京は教養として狂言に行くが、大阪は笑いに狂言に行くということのようです。)
「公演中の写真撮影、録音は固くお断り申し上げます」というよくある劇場での注意事項アナウンスを能公演では「公演中の写真撮影、録音並びに居眠りは固くお断り申し上げます」としてはどうだろうなんて話も笑えました。(確かに能は眠い)
そうだったのか、という豆知識もいくつかありましたが・・・
巻き寿司と稲荷寿司の詰め合わせを「助六」といいますが、それはナゼかという話なんか、成る程了解という感じですね。
助六」は歌舞伎十八番のひとつ「助六由緒江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」の主人公の名前ですが、その助六の愛人が揚巻(あげまき)というんですね。「あげ(稲荷)まき(巻き寿司)」そこから「助六」という名称が生まれたとのことです。

若い頃には何度か能や狂言浄瑠璃文楽に出掛けましたが、またそちらにも目を向けてみましょうかね。