四方田犬彦著「四方田犬彦の引っ越し人生」

四方田犬彦の引っ越し人生

四方田犬彦の引っ越し人生

膝の病で整形外科へ通院していた際に、待合室にあった週刊誌で書評を読んでから探していた本です。先月24日に池袋のLIBROでようやく見付けて嬉々として購入しました♪

現在は明治学院大学教授として「映画史」を教えておられる四方田さんを知ったのはやはり映画の本でした。彼の映画評論の本を何冊か読み、その巻末に「私がお世話になった映画館一覧」のようなものがあり、その冒頭近くに我が故郷の今はなき『石橋映劇』の名前を見つけビックリすると共に急に身近に感じられたのでした。

読んでみますと・・・成る程!! 箕面市の桜井で幼少期を過ごされていたんですね♪
現在、私の実家のある池田市旭丘からはホン近所です。この本でも書かれております古い洋館が今でも残っている住宅街ですなあ・・・
お父さんの転勤で世田谷の下馬に引っ越されてからは何度かの海外暮らしを挟んで東京や横浜で過ごされているようです。
いやあ、面白かったなあ・・・!!
まずは世田谷区下馬から浜田山に引っ越してきたのに驚かされました。「今おるところやん!!」ですよ。今でも緑多い街ですが昔はもっと田舎だったんでしょうねえ。本の一節に京王井の頭線をこのように書かれています。

『それでも浜田山駅に立って、いつもとは逆に西側に向かうことがないわけでもない。(中略)高井戸から富士見が丘へと向かう電車の窓からは、とたんに田舎じみた畑や水田の風景が眼に飛び込んできた。井の頭公園駅に達してその驚きは絶頂に達した。』

表紙に白く描かれているのは著者が書いた住居近くの地図で、これらが各章毎に載っているのです。下書きをしたようでもないそのラフな地図がまたいい雰囲気をかもし出しつつ、彼が留学等で短期間暮らしたソウル・ロンドン・NY・ボローニャジャカルタ等が月島や横浜妙蓮寺、伊皿子坂と並んでつづられていくのでした。
いやあ、面白かった!! 再読間違いなしの一冊となりました♪